「楽しい」が一番のモチベーション!日大中高が取り組む「伸ばす教育」

日本大学高等学校・中学校
2022年度に「中高一貫2-1-3システム」を導入した日本大学高等学校・中学校(以下、日大中高)。今年、中学3年を高校0(ゼロ)学年とするプレコースが始動しました。新たな学びに挑戦する同校の取り組みについて、広報部主任の藤原くみ子先生にうかがいました。

多くの体験授業で「生徒たちのスイッチ」を探す!

中学校で実施する「伸ばす教育」とはどのようなものでしょうか。

藤原先生 中学の3年間は「楽しい!」がテーマです。校外・校内で実施する体験型プログラムを多種多様、たくさん体験し、本物に触れることで興味の幅や分野・価値観を広げながら、自分のやりたいことや「面白い!」と感じることを探していきます。
また、本校はプレゼンテーションの機会が多くあり、知識→考察→判断→表現のサイクルを数多くこなしています。この経験は、大学受験の総合型選抜や学校推薦型選抜で活かせるのはもちろん、一般選抜においても有効です。それだけでなく将来に向けて、大人になった時にも活かせる「財産」になると思います。

学習面についてはいかがでしょう。

英語スピーチコンテストで発表する女子生徒の写真
英語スピーチコンテスト
ブリティッシュヒルズでプレゼンする生徒たちの写真
ブリティッシュヒルズの研修

藤原先生 基礎学力の定着は徹底的に行っています。ただし難問や量を詰め込むのではなく、定期考査を中心に、今後の学力の基礎となる力を定着させることを大切に、学習習慣を身につけるように指導しています。
中学3年間で、「楽しい!」を中心に、「プレゼンテーション」「基礎学力・学習習慣の定着」に取り組み、目一杯学びを楽しんだ中学生は、高校に入ってからグンと伸びます。これが本校における中学の伸ばす教育です。

24年度よりスタートした中学3年次のプレコース

今年度より始動した中学プレコースについて、特徴的なカリキュラムなどを踏まえながらご紹介ください。

藤原先生 プレコースも「楽しい!」を重視した内容です。またどのコースも「基礎学力の定着」を大切にしています。

国公立大学を進路目標「特別進学プレコース」

日常の学習においてもハイレベルな問題にも挑戦し、より早い段階から大学受験に向けて始動します。大学受験はマラソンのようなトレーニングが必要です。その中で大切なことは一緒に頑張る仲間がいること。「勉強合宿」では、「戦友」として、一緒に切磋琢磨する仲間意識を高めるために、勉強だけでなくお楽しみイベントを行いチーム特進の団結力を強めました。また、「大学訪問」では今年度は東京大学のプログラムにも参加し進学意欲を高めています。生徒達は、学びを楽しんでいると感じます。

日本大学や難関私大が目標「総合進学プレコース」

一番の目玉は「起業体験プログラム」。東京証券取引所の方に指導いただきながら生徒が株式会社を立ち上げます。株券を発行し、模擬投資で得た資本金をもとに、文化祭で商品の販売を行い、最後は株主総会・決算報告をして解散する、株式会社の一連の流れを体験します。社会とお金の流れ、また将来起業をする際にはどのようなことが必要なのかを疑似体験するプログラムです。

9月に実施した文化祭での販売は大盛況で、生徒たちは起業の大変さも体感しながら、やりがいや楽しさを感じていました。

日本大学理工学部の研究所を見学する生徒の写真
日本大学理工学部の研究所を見学

海外大学や国際学系統を進路目標「総合進学プレコース スーパーグローバル(SG)クラス」

SGクラスの集大成は2週間の海外研修プログラムです。現地の学校に通い、自分の語学力を試すだけでなく、海外へ進学するイメージを持たせたり、多様な感性と国際性を身につけます。学校での英語の授業も少人数制(レベル別)で行い、基礎はもちろんよりハイレベルな4技能の習得を目指します。ハイレベルクラスでは英語でディベートするなど、英語をツールとして楽しんで学んでおり、国内留学をしているのでは!? と思うほどの生徒の高い英語コミュニケーション力に感動しました。これは、日頃よりプレゼンを通して思考力・判断力・表現力を磨いてきた成果であり、それが英語でも活かされていると感じます。上智やICUへの大学訪問も行い、さまざまな可能性を広げています。

プレコースの生徒の様子を教えてください。

藤原先生 それぞれの独自の雰囲気を築いていおり、皆仲良く、同じ目標を持った仲間との時間は切磋琢磨できる有意義なものになっているのだと感じます。
また他のコースの生徒との交流も同じ学年の仲間なので、今まで通りワンチームで取り組んでいます。「このコースではこんな事やった」「楽しそう!」とお互いの取り組みを称賛しながら共有している姿が見られます。

無理のない学習量を意識し、学力定着のためには学習サポートも

学力定着を図る上で実施されていることはなんでしょうか。

藤原先生 毎日の授業時間を大切にすることが一番です。その中で小テストを実施し、知識の確認・定着を図っています。

学習サポートで重点を置いていることを教えてください。

藤原先生 無理のないちょうど良い学習量を意識しています。担当教員は皆、やりすぎず、少なすぎずを心がけ、また反復学習を大切にしています。
さらに質問しやすい雰囲気づくりや、友人と一緒に勉強しやすい雰囲気を心がけ、その中で一人ひとりが学習習慣や学習方法を身につけられるようにしています。

チューターから学習サポートを受ける女子生徒の写真
チューターが学習サポートするスタディールーム

特別補習・講習の内容について教えてください。

藤原先生 主に定期考査後、習熟不足の科目については補習を設定し、早めに苦手科目のフォローをしています。ただ、日々の課題や小テストなどが補習代わりになっているといえます。補習とは呼んでいない補習が当たり前に行われている状態です。
長期休み(主に夏休み)には希望制講習3科目も行われ、よりハイレベルな学習にも取り組み、モチベーションをアップさせています。

自習室もありますね。

藤原先生 スタディールームといって、チューターが常駐し質問できる自習室があります。中学1年生は登録必須となっており、学習習慣の定着を図っています。中学2年生以降は希望制です。

学びを楽しみ、目標に向けて取り組んだ先にある成長とは

藤原先生の写真
藤原くみ子先生

貴校で過ごす6年間でどのような成長を期待できますか。

藤原先生 「楽しい!」はモチベーションです。楽しむことを大切にした経験と、今必要とされている思考力・判断力・表現力、そしてそれを支える基礎学力をしっかり身につけることで、6年後、自分の興味関心に向けてアクションを起こすことのできる人材となるでしょう。
そのためには、知識・体力・精神力も必要です。学びを楽しみ、目標に向けてしっかり取り組む姿勢を育むことが大切です。

受験生ご家庭に向けてメッセージをお願いします。

藤原先生 皆さんは「中学受験」という山に向かって何年間も頑張ってきたと思います。これまでの努力と頑張りは、絶対に皆さんの「力」になっています。
最後まで諦めず目標に向けて頑張り、どんな結果だろうと胸を張って、4月の新生活をスタートさせてください。中学受験でやり切った経験を自信に、中学校生活を自分自身の力で楽しく、素晴らしいものにしていってください!
最後まで応援しています!

体験学習中の生徒の写真
体験学習
原爆ドームの前で説明を受ける生徒達の写真
国内研修(広島)
勉強合宿中の生徒の写真
勉強合宿
河原で説明を受ける生徒の写真
民泊研修
キャンプファイヤーに点火する生徒の写真
林間学校

編集後記

編集部でも総合進学プレコースで実施された「起業体験プログラム」について、模擬投資発表会、文化祭での販売の様子を取材。生徒たちの自由な発想と目標の売り上げを果たすために挑戦する姿はとても頼もしく、先生方も生徒の取り組みを楽しんでいるようでした。「楽しい!」はすべての原動力。同校の「伸ばす教育」にぜひご注目ください。

編集部レポート 起業体験プログラム「模擬投資発表会」>>

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