卒業生が母校の教師!聖学院で得た絆が教職の道へ

聖学院中学校・高等学校
ミッション系男子校の聖学院中学校・高等学校(聖学院)には、同校を卒業後、教師となり再び学校に戻ってくる卒業生が多くいます。母校で教鞭を執りたいと思う動機は何か。そして聖学院に戻りたいと思う理由とは? 2024年度より教師として後輩を教えることになった佐藤俊輔先生、沼野幸佑先生にうかがいます。

聖学院時代の体験が教師の原点

今回はお二人の元担任でもある伊藤大輔先生にも同席いただきました。伊藤先生は沼野先生より中学の頃から教師になる相談を受けていたそうです。さらに佐藤先生には教師に向いているとアドバイスしたこともあるとのこと。聖学院に教師として戻った心境についてお話いただきました。

佐藤俊輔先生(社会科・非常勤講師)

プロフィール画像

中学1・2年生を担当。2020年度卒業。卒業後は学習院大学へ進学。
座右の銘:All is well(きっとうまくいく)

沼野幸佑先生(英語科・非常勤講師)

プロフィール画像

中学1年〜3年のSSコース担当。2020年度卒業。卒業後は国際基督教大学へ進学。
座右の銘:七転び八起き、あきらめずやり遂げる

伊藤大輔先生(英語科主任)

プロフィール画像

高校3年生を担当。愛称はダイスケ先生。
座右の銘:祝福を受け継ぐ(キリスト教の教えより)

佐藤先生と沼野先生が教師になろうと思った最初のきっかけを教えてください。

佐藤先生 高校1年生のときに学んだ世界史の先生から、歴史はいろいろな角度から見ることで新しいことが分かり、より学びが深まると教わり、自分自身も歴史の見方が大きく変わりました。その学ぶ楽しさを生徒に伝えられたらと思い教職を目指しました。

沼野先生 私の場合、先生方に学力だけではなく、人間として大きく成長させていただいたと感じており、自分が教員になったら勉強だけではない、別の側面を育ててあげたいと思いました。英語を選んだ理由は、私自身が英語学習で苦労したからです。できない子の気持ちを汲んだ授業、その子たちの背中を押してあげられることができるのではと思いました。

先生として再び聖学院に戻った率直な感想をお聞かせください。

佐藤先生 人として成長する機会をいただけた学校ですし、学校の理念にも共感しているので後輩たちにも教えていきたかった。大好きな学校で教師になれて、率直に嬉しいです。

沼野先生 私も同じです。それと同時に生徒たちに教師として見られていると思うと、ちゃんとしなくてはと気持ちを引き締めています。

伊藤先生 二人とも真面目で一生懸命。そういうタイプはやはり教師に向いていると思っていたので、こうして教師になった姿を見て嬉しいです。

生徒との年齢が近い今だからこそ大事なこと

教師として見た今の聖学院生の印象を教えてください。

佐藤先生 クラスメイトだけでなく他のクラスの生徒とも仲良くやっている様子を見ていると、アットホームな雰囲気は私がいた時代と変わらないですね。

沼野先生 間違えてもいいから発言する、そんな積極的な生徒が我々の頃より多いなという印象です。

授業を行う上で大切にしていることはなんでしょうか。

佐藤先生 生徒に寄り添える教師でありたいと思います。授業を担当するようになり、生徒のリアクションや考え方を把握し大切にしていくと、授業をしっかり聞いてくれるようになった経験から、寄り添う姿勢を大切にしたいと思っています。

授業中の佐藤先生
授業中の佐藤先生

沼野先生 自分がワクワクするような授業を準備すること。これはダイスケ先生の元で教育実習をした際に実習日誌で書いてくださったコメントなんです。教師が一番ワクワクしないと生徒がついてこないと。自分よがりになってはいけないので、それを心がけて授業作りをしていいます。

授業をしている沼野先生の写真
授業をする沼野先生

伊藤先生 生徒の特徴を理解し授業計画を進めていく、一番大事なことができているなと感じました。私としては教科の指導よりもそういう方が一番大事だと考えています。生徒との年齢が近い今だからこそしっかり生徒と接する、これから年齢が離れるほどより難しくなってしまいます。そういう意味では行うべきことがしっかりできていますね。

どのような教師を目指していますか。

佐藤先生 生徒により添える教師というのはもちろん、信頼される教師になりたいと思います。

沼野先生 やはりダイスケ先生は英語科の先輩としても理想なので、先生のような教師を目指し、ゆくゆくは自分の色も入れつつ、超えたいと思っています!

伊藤先生 教師となって戻るということは我々を見て戻ってきてくれる、共感してくれていることだと思うので、非常に有り難いことだなと思います。
今はまだ非常勤ですが、これからの聖学院を担う新たな力になってほしいです。

聖学院の6年間で得る一生の友達、一生の絆

佐藤先生、沼野先生の聖学院在学時代のこともうかがいました

在学時の一番の思い出はなんでしょう。

佐藤先生 高校3年生の体育祭で、リレーでアンカーを走りました。凄い僅差でゴールしたらクラスのみんなが駆け寄ってきてくれて胴上げしてくれました。個性が強くて普段はあまりまとまりがないクラスだったのですが、最後に一緒になって喜んだということが印象深かったです。クラスは優勝もしてダイスケ先生を胴上げしました。

体育祭で生徒に胴上げされる伊藤先生の写真
高校最後の体育祭。ダイスケ先生をみんなで胴上げ!

沼野先生 生徒会に所属していましたが、泣くくらいきついことも多くありました。でも最後にすべて終わった後に、学年の先生によくやったと褒めてもらい、クラスメイトからもお疲れ様、と言ってもらえた。ちゃんと見ていてくれたんだと思い嬉しかったです。

卒業式で答辞を読む高校時代の沼野先生写真
卒業式で生徒代表で感謝の言葉を発表する沼野先生

伊藤先生 二人の担任を6年の中でそれぞれ3回ずつ受け持ちました。沼野先生の場合中1、2年の時も担任だったので、本当に小さい頃から知っているという感覚です。最初の頃は頼りない面もありましたが、先生のことをまっすぐ見るタイプ。佐藤先生はまじめですが、教科書に載っていることは全部完璧にできるけど突発的な問題が苦手なタイプでした。でもくじけることがなかった。いつかその頑張りが花開くという声かけをしていた記憶がありましたが、その通りになったと思います。

皆さんから聖学院のここを見てほしいところはありますか。

二人 記念祭(文化祭)です!

佐藤先生 生徒が中心になって実行するので、生徒の力を一番に見ることができます。そのほかでは、やはりキリスト教の学校なので毎朝の礼拝です。在学時、最初は面倒って思いましたが、朝の15分、心を静めて授業に向き合える時間は貴重な時間になりました。

沼野先生 聖学院の英語は文法や単語をただ教えるだけでなく、英語を学ぶことによって自分の世界を広げることができる、英語を使った実践的な学びを重視しています。グローバル社会で活用する英語を学べると思います。

伊藤先生 本校は生徒がやりたいことを伸ばす、そして何がやりたいのか、また自分はどんな人間なのか、6年間を通して自分への理解を深めることができる学校です。良い先生、そして卒業後も続く一生の友達とぜひ聖学院で出会ってほしいと思います。

座談会中、談笑する沼野先生、伊藤先生、佐藤先生の写真
在学時の話で大盛り上がり。佐藤先生も沼野先生も「生徒ファーストで寄り添ってくれる学校だった」と語りました

編集後記

「聖学院のことが大好き」とお話されていた佐藤先生と沼野先生。そんな二人の発言を聞いた伊藤先生は「素直に学校が好きというところが凄い」と驚く反面、とても嬉しそうにされていました。教師と生徒という関係を超え、今は同僚であり先輩・後輩となった三人。卒業後も続く関係に、聖学院で過ごした6年間で得た絆の強さを感じました。

イベント紹介

イベント名 開催日 備考
学校説明会・体験会 8月24日(土) 来校型
学校説明会・体験会 9月14日(土)
校内見学会 9月21日(土)
校内見学会 10月12日(土)
創立118周年記念祭(文化祭) 11月2日(土)・4日(月)