芝が大好きで入学した学園祭実行委員長が抱いた覚悟
学校独自のカラーが発揮される学園祭は、保護者だけでなく受験生にとっても学校選びの重要な要素となります。芝を第一志望としたきっかけが学園祭だったという高校2年の実行委員長からお話を詳しくうかがいました。
小学生時代にどうやって芝を知りましたか。
T.O.くん 芝の存在を初めて知ったのは、6年間の学校生活を凝縮した地図のイラストが受験情報誌に載っていたのを見てからです。今でも同じようなイラストが「芝大陸」として受験生に配られているのですが、まるで宝の地図のようなそれを見てからはワクワク感が止まらなくなったのを覚えています。その後、楽しみにしていた学園祭に参加して以来、芝生(芝の生徒)になる夢を抱きながら第一志望校として受験勉強に集中してきました。
なぜ実行委員に参加したのですか。
T.O.くん 中3から正式なメンバーに立候補できるのですが、中1でもお手伝いで学園祭へ積極的に加われます。入学を決意した理由のひとつだったからこそ、運営する側に立って学園祭に関わってみたいと思いました。広報部としてパンフレットを作成する先輩、校庭企画部としてステージイベントを取り仕切る先輩などが活躍する背中を見て、芝生が大切にしている学校行事への情熱を受け継ぎました。
学園祭では毎年テーマが決められるそうですね。
T.O.くん 2024年度のテーマは「氣(いき)」にしました。実行委員メンバー全員が先輩方の意思を受け継ぎ、男子校の魂を持って全身全霊で学園祭に臨む覚悟をこの一字に込めました。この字が持つ力に負けないよう、新たにチャレンジしたのが東京タワーとのコラボ企画です。特別なグッズの販売やスタンプラリーのほか、東京タワー内に学園祭のポスターを掲示してもらいました。物品の販売にあたって、交通系ICカードを利用した完全キャッシュレス化も始めました。デジタルパンフレット上からでも催事企画への人気投票ができるシステムを採用したんですよ。
芝が持つ真の魅力を間近で見られる最高のチャンス
実行委員長へのインタビュー取材に同席された、生徒会係主任・国語科教諭の石渡健児先生からも、学園祭の背景や生徒たちの頑張る姿についてうかがいました。
生徒主体とは聞いていますが、先生方はどれくらい生徒たちをサポートしているのでしょうか。
石渡先生 基本的に実行委員の人事や進行には関与していません。なぜなら代々伝わる引継書があり、準備段階から当日の運営以降までのノウハウが伝統として受け継がれているからです。学園祭2日間にわたって16,000人超の来場者がいらっしゃいますので、もちろん一般・生徒双方の安全面には気遣いが必要ですが、そうした面でも生徒主体で考えてもらうように声をかけています。実行委員の幹部会議や企画会議にはなるべく参加していますが、教員側の立ち位置はあくまで「見守り」程度にとどめています。
大人の立場から成功パターンをアドバイスすることはないのですか。
石渡先生
どう考えても解決策が出てこない場合は、考える幅を広げるためのヒントを与える場合はありますが、あくまで発想のきっかけであり、私からの指示は必要ありません。教員が大人の価値観や理屈で口出ししないのは、行事を運営する実行委員は学びの一部であり、学校の一部でもあるからです。「こうしたら効率良く運営できる」「ああしたら売り上げが伸びる」といった既成概念を押し付けるのではなく、学校行事の目的そのものは生徒自身が体験することであるというのが芝での考え方です。
芝にたくさんある学校行事のすべてが教育の一環であり、体験を通して学びを最大化できるようにするのが教員の務めです。事前のアイデアや企画書を受け入れて、生徒と一緒に実現を目指してみるのが私の役割でもあります。
それは思い切った方針ですね。
石渡先生 多くの卒業生が多業種で活躍する姿を見てきたので、今まさに経験を積みながら成長している芝のみんなの力を信頼しています。だからこそ、生徒会係として手助けする役割に喜びと使命感をもって臨んでいます。初めから実現不可能と思い込む必要はなく、相談を重ねて実現に近づけるように対等な会話を重視していますよ。
生徒も先生も熱かった…芝温泉は意外に熱い?
普段は聞かせてもらう機会が少ない、本音の意見交換をさらに深く掘り下げてみました。
自分たちで決めなければいけない苦労はありませんか。
T.O.くん
実行委員は450名もいるので、学園祭当日は天気や混雑の心配だけでなく、地震・急病人・不審者対策などあらゆる面で先代から伝わるマニュアルを再確認・見直ししています。僕たちには自分たちで問題解決に関わっていく主体性が求められているので、試していないことを初めから諦めないことが合言葉のようになってきました。そんなふうに実行委員で挑戦してきた経験が僕自身の可能性を大きく広げてくれたのを実感しています。
当日の催事を見るのは単純に楽しいですが、全体を円滑に運営していく面白さや大人数のメンバーの心がまとまっていく過程には大きな意味があって、僕の人生観に影響する学びになりました。
先生にとって2024年度の学園祭はどのような行事になりましたか。
石渡先生 私が生徒会係主任になってからは、すべての団体・催事を見てまわるようにしています。どこに行っても来場者をもてなそうとする努力と素敵な表情が見られ、本校らしい優しい空気を感じられますが、何が一番かと聞かれると、学園祭の一体感そのものだと言えます。入場時の挨拶から退場時のお辞儀まで、生徒自らが本校の校訓「遵法自治(じゅんぽうじち)」を実践していることが伝わってきました。
芝の先輩として受験生へのメッセージをお願いします。
T.O.くん 芝温泉といった表現の校風で知られている学校ですが、僕たちが言いたいことを言い、実際にやりたいことをやれる熱さがあります。僕の場合は、居心地の良い環境でみんなと関わりながら、自分もみんなも幸せにしたいと思うようになって生き方が変わりました。普段の学校生活からでもそんな気づきと目標を与えてくれる、素敵な学校ですよ。
編集後記
校外学習に限らず、普段の学校生活でも繰り返して学び取ってきた成果が、学園祭や体育祭といった大きな行事に活かされているという特色を、芝らしさを含めながらご紹介しました。来校型イベントの機会は限られていますから、受験生を持つご家庭はいつも情報収集しておくことをおすすめします!
イベント情報
イベント名 | 日時 |
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第5回 学校説明会 | 2024年11月9日(土) |