昭和学院がスタートさせた現役東大合格を目指す新コース

昭和学院中学校・高等学校
都内から通学する生徒も多い千葉県市川市に位置する昭和学院中学校・高等学校(以下、昭和学院)では、東大をはじめとする難関国立大への進学を目標とする「TA(トップグレードアカデミー)コース」が設けられています。コース生として日々の学業に臨む生徒たち、その指導を担う先生のコメントを通して、最高級の学術を意味するそのコース名にふさわしい取り組みの最前線をご紹介します。

最難関校の攻略を可能にするTAコースのゴール

中学3年TAコース担任として指導の最前線に立ち、昭和学院の学力引き上げに尽力されている井村海渡先生から、TAコースが導入された背景についてお話しいただきました。

国際教育部副部長でもある井村海渡先生
国際教育部副部長でもある井村海渡先生

このコースは進学を目的にしたものなのでしょうか。

井村先生 TAコースの最大の目的は最難関国立大学合格ではなく、そこに合格する学力と人間性を養うことです。中学3年からこのコースが導入されたのは、単なる「詰め込み」でなく、物事を批判的に考える論理的思考力を高校入学時までに習得させたいという意図があるからです。授業内容の一例を紹介すると、進路探究において「東大の模擬授業」を体験できる東大キャンパスツアーなどを通して、学ぶ目的や楽しさを体感し、学問に対する好奇心を感じさせる学びを用意しています。

先生の指導方針を教えていただけますか。

井村先生 担任として、あえて子どもたちに口出しをしないようにしています。「口を開けて待つな、自ら学べ」を合言葉に、自ら考え行動できるような授業や学級経営を心がけています。東大総長の言葉にもあるように、「自己の能力を他者のために使う。決して他者を貶めるために使わない」といった態度、姿勢を大切にしてほしいという思いがあります。

コース生たちの成長や努力をどのように感じていますか。

井村先生 生徒が「なぜ?」と質問してくることが多くなってきました。「物事の本質を知りたい。知らないと気が済まない。」というクラス全体の雰囲気が感じられるようになり、男女関係なく、お互いに高め合う姿勢があります。

自ら学ぶ姿勢を身につけたTAコースの生徒たち

TAコースに所属している中学3年生の皆さんから、勉強に対する姿勢や自分なりの学習法などについてお話しいただきました。

TAコースに所属している中学3年生の皆さん
TAコースに所属している中学3年生の皆さん

TAコースを選択した理由を教えてください。

Y.A.さん 元はAA(アドバンストアカデミー)コースでしたが、他の選択肢があると思ってTAコース選抜にチャレンジしてみました。いざコース生になると、全員学力レベルが高いため、常にモチベーションを高く保って勉強できることにすごく満足しています。

I.K.くん 理系の学部に進学しようとすると相応の学力が求められるので、TAコースを選択しました。最近は先生から出された応用問題で学力が伸びたことを実感しています。少人数制なのでいろんな人とコミュニケーションが取れるようになりました。

K.M.さん 集中して勉強できる環境が欲しかったのと、授業内で多くの応用問題に取り組みたかったからです。7限目があることにより、他コースと比べて週に3時間も授業時間が多くあります。

M.H.さん 入学した年にAAコース(アドバンストアカデミーコース)を選ばなかったことを後悔したので、行けるところまで試してみようと思ったからです。疑問が無くなるまで徹底的に質問できることに満足しています。

A.I.さん 以前から少人数で勉強に集中できる環境に憧れていました。人数が少ないとさまざまな意見をじっくり聞けたり、物事の奥底まで発展した問題を解けたりできて嬉しいです。

自習の際にも活用されている自習室
自習の際にも活用されている自習室

勉強への不安やその気持ちへの対処法はありますか。

Y.A.さん みんなの学力が高いので常にプレッシャーを感じています。特に、定期考査ではどうしても順位が付くので気にしてしまいます。それでも私は勉強を楽しむことにしています。単語や公式を覚えるだけでなく、どうしてそうなるのかを考えて学んでいますよ。

I.K.くん 先生から出される課題が多いのと、定期考査の問題が他コースよりも難しいのがTAコースの特色でもあります。応用問題を解けるようになるためには、基礎を究めてさらに上を目指すことが必要です。

K.M.さん 授業スピードが早いので、苦手な科目は理解したつもりで進めてしまうことが多いかもしれません。暗記ものは一度書いたり見たりするだけで覚えられるようになったり、応用問題は他者に完璧に教えられるほど理解できるようになりたいです。

M.H.さん 気を抜くと授業についていけなくなるので、自己管理で勉強を継続する努力が必要だと感じます。僕にとっては勉強面で頼れる友だちの存在が必要です。

A.I.さん 考査前の課題が多いため、理解が追い付かなくなってしまうことがあります。毎日少しずつでも苦手な問題を解き、それでも分からなかったら、まずしっかり考えた後で友達に聞いてみるようにしています。

少人数制クラスが学習面のアドバンテージになっています
少人数制クラスが学習面のアドバンテージになっています

未来の後輩となる中学受験生に勉強のアドバイスをお願いします。

Y.A.さん 勉強時間をしっかり決めておき、こまめに休憩を取ることが大切です。また、休憩の際には自分の好きなことをしたり、新しい趣味に挑戦するのも良いと思います。頑張ってください!

I.K.くん 受験生だからといって、ずっと勉強するのはやめましょう。適度な休憩やリラックスは健康のために大事!合格したイメージを持ち、緊張し続ける状態ではなく心に余裕を持った状態で受験に臨んでください。

K.M.さん 勉強がものすごく嫌になったり、モチベーションが極端に下がったりしたら、外に出て10分程度の散歩をしたり、好きなことを30分程度やってみたりすると気持ちが切り替わります。

M.H.さん 小さなゴールを毎日作ってご褒美を用意しておくと、自信が付いてくるし習慣にもなりやすいので、僕自身がよくやっていますよ。

A.I.さん 私たちも考査や課題などで忙しい時期もあるけれど、中学受験も同じで、どのようにしたら勉強に集中できるかを考えて取り組むようにすると良いですよ。

中学入試・高校入試の変更点

最後に、井村先生からTAコース導入に伴う入学試験の変更点についてうかがいました。

変更された入試要項のポイントを教えてください。

井村先生 TAコースは中学3年から選択できるコースなので中学入試はありませんが、高校入試は5教科入試を取り入れています。その理由は、パターンとしてしか使えない知識ではなく、汎用性の高い知識があれば、幅広い視点から学ぶことができる素養の有無を測ることです。また中学入試に関しては、「あなたはどう考えるの?」という問いかけを意識して作問しています。受験に臨む際のポイントとして覚えておいてください。

編集後記

昭和学院が位置するエリアには幼稚園や小学校も近接しており、周辺一帯が文教地区としての穏やかな雰囲気を醸し出しています。そこには、実際に足を運んでみれば感じられる特別な空間が広がっています。ぜひとも来校型イベントに参加して、昭和学院の魅力を体験してほしいと思います。

イベント情報

イベント名 日時
第1回オープンスクール 2024年7月13日(土) 14:00~16:00
第2回オープンスクール 2024年8月31日(土) 9:30~11:30
第1回入試説明会 2024年10月12日(土) 14:00~16:00