1科入試で入学した生徒の学力は?巣鴨の算数選抜

巣鴨中学校・巣鴨高等学校
最難関大学や医学部に多くの生徒が進む名門校である巣鴨中学校・巣鴨高等学校(以下、巣鴨)では、毎年2月1日午後に、「算数選抜」入試試験を実施しています。今回は注目の算数選抜の作問を担当している先生に、選抜を導入した背景をうかがいました。また後半では、算数選抜で入学した在校生の3名に、受験した理由や当時の学習方法、巣鴨の好きなところを聞きました。

算数選抜ってどんな入試?作問担当の先生に聞く”ねらい”

まずは、算数選抜の作問を担当している、進路指導部部長 兼 数学科主任の森山敦史先生に、算数選抜を導入した背景や算数選抜で試される素養や学力についてうかがいました。

巣鴨中高の森山先生
進路指導部部長 兼 数学科主任の森山敦史先生

算数選抜が導入された背景を教えてください。

森山先生 本校では以前より、中3と高1で「数学クラス」を設置しています。数学クラスは、数学の成績を中心として選抜されたクラスで、物事を論理的に考えられる生徒が多く、また、数学に突出するだけでなく他の教科もよくできる全体的に成績の良い生徒が多数います。
世の中の状況が目まぐるしく変わるなか、より論理的で多角的に物事を考えられる生徒や好きなこと得意なものをとことん追求できるような生徒を迎えたいと考え、算数選抜を導入しました。

算数選抜で試される素養の内容や学力のレベル感を教えてください。

森山先生 1科目で合否が決まってしまうので、文章を読み解く力も見ることのできる会話形式の問題も出題しています。また「受験生が解いていてワクワクできる問題を!」という意識をもって作問しています。実際、受験が終わった後に、「問題を解いていて楽しかった」という感想をいただくこともあります。作問担当としては非常に嬉しいですね。
レベルとしては、やはり算数が得意な受験生が多い印象です。こちらが「ここまでの力を求めても大丈夫だろうか」と不安になるような問題でも正解する受験生もいて驚くことがよくあります。

算数選抜で入学した生徒の様子はいかがでしょうか。

森山先生 生徒一人ひとりが各自のペースで着実に成長しています。本校では第I~III期、算数選抜と4回の入学試験を行っていますが、どの入試を突破したかは関係なく、全ての生徒が頑張っています。
また、小学生の時に算数が得意だった生徒が、中学でも数学が得意になってくれることも多く、数学だけでなく他の教科にも好奇心をもってバランスよく成長していく生徒もいます。

数学科において、近年始まった教育施策を教えてください。

森山先生 数学科のカリキュラムは、中学の内容は中2までに、高校の内容は高2までに終わるよう設計しています。また、高2からは習熟度別授業を取り入れることで、よりきめ細やかな授業を行うことができています。
低学年では、学習方法や習慣が身についていない生徒も多いため、数学を含むさまざまな教科で授業内やHRで小テストを頻繁に実施して、日々の学習習慣が自然と身につくようにしています。また、授業以外にフォローアップ講習やステップアップ講習も行っていますが、フォローアップ講習では苦手な分野を少しでも克服できる成功体験を、ステップアップ講習ではより高レベルの問題が解ける成功体験をもてるように設定しています。我々教員も生徒の様子を見ながら、いかに生徒のニーズに応えられるか、どのような方法が生徒の成長に最適かを常に考えています。
高2・高3になると受験を意識した授業や講習、添削が増えてきて、学校だけでも大学入試に十分に対応できるようにしています。

巣鴨中高の授業風景
実際の数学の授業の様子

受験生やその保護者の方へメッセージをお願いいたします。

森山先生 巣鴨には、さまざまな個性を持った生徒が集まっています。また、数々の学校行事に加え、国際教育プログラムが充実しており、学校行事では多くのOBが協力してくれることも本校の強みだと思っています。

本校の雰囲気を感じ取ってもらうため、ぜひ一度足を運んでいただければ幸いです。説明会以外で学校を見学することも可能ですので、説明会にお越しになれない場合はお気軽に学校にご連絡ください。お待ちしております!

見事に算数選抜をクリアした2年生がふり返る受験勉強の成果

2022年の算数選抜で入学した中学2年生から、受験した理由や当時の学習方法、巣鴨の好きなところをうかがいました。

巣鴨を受験校として選び、なかでも算数選抜を受けた理由を教えてください。

D.O.さん

D.O.さん 学校説明会の際に見学した授業が楽しそうで巣鴨に興味を持ちました。そして、算数が好きだったので、算数選抜入試を受けました。

M.K.さん 学校説明会の際に聞いた「受験という山を超えよう」といった校長先生の話が印象的で感動したことや、校舎がきれいなことから、巣鴨を選びました。なかでも、私は以前から算数が大好きで得意だったため、算数1科目で勝負できる算数選抜を受けました。

S.T.さん 算数がもともと得意だからです。他校も受けているなかで、午後から1教科で受験できるというスケジュールの条件も合い、受験に至りました。

受験勉強をしていた頃から続いている勉強方法や、成績向上のコツを教えてください。

M.K.さん

D.O.さん 参考書や教科書を読み、まずは問題を解いてみる。そして、間違えたところは見直し、何度も間違える単元は重点的に復習する。これを繰り返しています。

M.K.さん 1日中勉強をしていると、疲れて身につかないため、適宜休憩をはさむようにしています。また、何か楽しみを見つければ、それがモチベーションになると思います。

S.T.さん 授業で習ったことをできるだけその日中に復習し、苦手な事項はテストまでに定期的に復習することを心がけています。また、問題形式やパターンを確認しておくのも大切だと思います。

受験勉強をやってきて良かったと思う、今でも役に立っている経験はありますか?

D.O.さん 受験勉強を頑張っていた小学校6年生の頃の自分を思い出し、奮い立たせることができています。また、数学や日本史で少しつまづくことがあっても、中学受験の知識を引き出せば一気に理解が進むので、受験勉強を頑張って良かったなと感じています。

M.K.さん 中学に入ってからも、中学受験のために身につけた知識は役に立ち続けています。あのとき、苦労してさまざまな勉強をしてきて良かったと思っています。

S.T.さん 勉強をする癖がついたことが一番良かったことだと思います。一日のなかで余った時間を勉強に使う癖がついていれば、部活との両立もしやすく、一日を充実させられます。

最後に、巣鴨の好きなところを3つ教えてください。

S.T.さん

D.O.さん 一つ目は、「寒稽古」や「巣園流」など、巣鴨ならではの精神を鍛える行事が多く、その全てが思い出になること。二つ目は、授業は厳しいけれど、文化祭や体育祭では弾けて楽しむなど、メリハリのある学校生活を送れること。最後に、テストは難しいけれど、解き甲斐のある問題が多いところです。僕は難問のほうが好きで、それで1位を取りたいと自分を奮い立たせることができます。

M.K.さん 一つ目は、先生方が生徒に寄り添って勉強のやる気を引き出してくれるところ。二つ目は、とても楽しく、また、辛くてもやりがいのある学校行事が多く、常に充実した学校生活を送れるところ。そして、校舎がきれいで勉強をしやすい環境が整っているところです。

S.T.さん 一つ目は、長い伝統から確立された教育プログラムです。入学してから大学受験までの伸び率は良いと聞きますが、自身が巣鴨での生活を送るなかでそれを実感しています。二つ目は、多種多様な班活動で個性を伸ばせる点です。勉強以外での成長も促されていると思います。最後は、学校行事のスケールが想像以上に大きい点です。体育祭が国立競技場で開催されたり、約8時間山道を歩く大菩薩峠越え強歩大会を実施したり、入学後、そのすごさに驚かされます。

編集後記

算数選抜の募集人数は20名で、非常に狭き門と感じるかもしれませんが、実は、巣鴨の中学入試のなかで算数選抜が一番倍率が低いそうです。突き出る強みを持っていることは、本人にとって大きな力となります。算数が好き・得意というお子さまは、その強みを巣鴨で活かしてみませんか。

イベント日程

※すべての説明会は予約が必要です

イベント名 日時
中学校説明会(第4回) 2024年11月9日(土)
高等学校説明会(第3回) 2024年11月16日(土)
中学校説明会(第5回) 2024年12月7日(土)