総合進学プレコースの新たな試み起業体験プログラム
総合進学プレコースは、知識・探究力・課題解決力の育成を目的としたカリキュラムが組まれています。今回実施された起業体験プログラムもその一環です。
同プログラムは東京証券取引所・大阪証券取引所(以下、JPX社)が学校向けに開発したもので、株式会社を擬似的に設立する体験を通じて、自ら学び、考え、道を切り開く「生きる力」を育むことが目的となっている体験型教育プログラムです。
模擬投資発表会では、各クラスの代表が、自分たちが考案した会社の企業理念を説明し、考案した事業計画を発表。それを聞いた他コースの生徒が「投資家」となって模擬投資をします。
また発表された事業内容は、9月14日(土)、15日(日)に開催される文化祭にて販売され、その後、決算なども行われます。
生徒たちが設立した会社とは?
当日は同校のさくらホールにて、3年生の全生徒だけでなく、保護者の方も招いて開催。冒頭、中園校長による開会宣言後が終わるといよいよ企業説明(発表)です。各クラスを代表した数名の生徒が登壇します。
トップバッターはC組で設立した会社は「さんしー株式会社」です。販売するのは写真サービス。教室内にフォトスポットを作り、利用者は貸し出されたチェキを使用してそこで写真を撮影。そのほかにも中学校の制服を着たような写真が撮れるバーチャルフィッティングサービスや、撮影の待ち時間も飽きさせない工夫をするとのこと。
実際にどのくらいの費用がかかるのか、また株主優待についての説明もありました。
D組は「GOLDEN RIVER株式会社」を設立。事業内容はゲームやアトラクションですが、その景品には石川県の特産品うちわせんべいを予定しているそうです。1月1日に発災した能登半島地震を受け、ゲームを行うことで寄付につながる事業を考案しました。
E組が設立した会社は「まごころクリーム株式会社」。来場者にハンドクリームづくりのワークショップを行うことを考案しました。ハンドクリームを製作する過程では材料を加熱する必要があるため、お客様に危険が及ばないか、そのリスクも含めた考察や、作業時の教室レイアウト、回転率なども発表していました。
各社の発表後には、会場に来場したJPX社の担当者との質疑応答がありました。収支の根拠となる試算はどうなっているのか、必要とされる材料などは発表した数で間に合うのか、仕入れ先の確保は十分か、など専門的な立場から本格的な質問が飛びましたが、生徒たちはそうした質問に対してもしっかり答えていました。
生徒による模擬投資。ドキドキの結果は…?
発表が終了すると投資家となる生徒たちによる模擬投資が行われます。
1人1社を選び、各社が用意したブースに赴いて模擬金券を用いて投資。金券を受け取ると自分たちでデザインした株券を発行します。
自分たちのブースにどれくらいの生徒たちが集まるか、ドキドキの時間です。
模擬投資の終了後には、JPX社による特別講義「ライフプランにおけるお金の活かし方」の講演がありました。
最後にいよいよ各社の投資額が発表されます。投資額がもっとも多かったのはまごころクリーム株式会社でした。
この起業体験プログラムは同校にとっても初の試みとなるものです。投資をするのは総合進学プレコース以外の生徒たちでしたが、投資先のブースへ積極的に動いている様子を見て先生も、「生徒全員が興味を持ってくれたようで良かった」と述べられていました。
講評や投資額を見て、自社の事業内容をさらに磨き上げ文化祭に臨むことでしょう。会社を一からつくるという貴重な体験を経て、生徒がどのように成長していくか楽しみです。
今年の文化祭では、各社の事業を実際に体験できますので、ぜひ生徒たちの取り組みに注目してください。