これから中学受験を始めるご家庭に伝えたいこと【Sakurako vol.19】

こんにちは。Sakurakoです。2022年の中学入試が終わった頃にこのブログ記事を書いています。2022年2月1日、東京・神奈川の中学入試当日には、娘と「あれから1年経ったんだね」と1年前をしみじみと振り返りました。春には中学2年生になる娘に「入試当日はどんな気持ちだった?」と聞いたところ、「しっかり勉強したから、大丈夫だと思っていた。でも、もし1日の入試で残念だったら、2回目の入試はどうやったら受かるか分からないなって不安だった」と話していました。2年後には息子が入試本番を迎えます。「勉強し切った」と言う自信を持って当日に臨めるよう、サポートしていかなければ、と気持ちを新たにしました。

これから中学受験を始めるご家族へ

2022年入試が終わり、息子も新5年生となりました。

2022年入試が終わり、息子も新5年生となりました。新しく中学受験に踏み込むご家庭もたくさんいらっしゃると思います。そこで、第19回のブログは「下の学年のご家族に向けたアドバイス」をテーマに、私が足掛け4年、わが子の中学受験勉強に伴走して感じていることを書いてみたいと思います。

娘の3年間の中学受験が無事に終わり、3学年下の息子の伴走を始めて感じたのは、「子どもによってこんなに性格や勉強への取り組み方が違うものなのか」という戸惑いでした。娘は、算数は苦手でしたが、国語は勉強しなくても点数を取れるタイプでしたし、勉強に対して抵抗感がまったくなく、淡々と問題を解き、丸を付けて直しができていました。初めての子の中学受験でしたが、私自身はそれほど苦労することも悩むこともない3年間でした。

ですが、息子の方は「できれば勉強したくない」「字を書くのが面倒」「分かっている問題はわざわざ解きたくない(でも分からない問題を考えるのも好きではない)」と言うタイプ。正直なところ、新4年生になった当初は、横に座らせて勉強を始めさせるだけで、とても神経を使いました。ですので、色々なサイトの中学受験ブログでほかのご家庭の中学受験を垣間見させていただいて、「子どもと楽しそうに受験勉強に取り組むご家庭」があることも「思うように勉強させられずに焦るご家庭」があることも、とてもよく分かります。まだ成長過程の小学生の受験勉強は、精神的な成長において個人差がとても大きく、それは親の努力では埋めきれないものなのではないかと思います。

もし1人目の中学受験が息子だったら、私も、わが子を回りの「できる子」と比べて、もう少し焦って空回りしていたかもしれません。ですが、上の子がいわゆる進学校と言われる中高一貫校に入学して、中学生活を送り始めたことで、少し客観的にわが子の成長と中学受験について考えられるようになりました。そんな私が、これから中学受験を始めるご家庭にお伝えしたいことは、

・中学受験は通過点であり、ゴールではないこと
・中学受験で得られる勉強習慣と考える姿勢にこそ、価値があること
・「比べず」「妬まず」「否定しない」こと

中学受験は通過点であり、ゴールではない

まず、「中学受験は通過点であり、ゴールではない」と言うのは、よく見かける言葉だと思います。時折、誤解されることがありますが、中高一貫校は「高校受験がなくて楽」なのではなく、「6年間の一貫したカリキュラムで高い教育を与える場」である側面が強いと思います。そのため、公立中学に比べて学習の進度も速いですし、各単元の深度も深く、レポートやプレゼンなどの課題も多くあります。実際、上の子を見ていると「よく勉強しているな」と感心することが多く、自由時間が豊富にある感じはありません。中学受験が終わった後は、自分と同程度の学力の友人たちと、さらに難しい勉強をするのですから、「中学受験をしたら、中学・高校でいっぱい遊べるよ」と言う誤解は子どもに与えない方がいいのではないかと思います。

中学受験で得られるもの

ですが、そんな忙しい中学生活を楽しめるのが、厳しい中学受験勉強を乗り越えた子たちの強さだと思います。なぜなら、「中学受験を通して、勉強習慣と考える力を身に付けることができたから」です。やるべき課題を小分割して、毎日少しずつ取り組む計画力、難しい課題に対して「なぜだろう?」と深く考える思考力、困ったときは先生やお友だちの力も借りるという課題解決力。中学受験勉強を通して得られるのは、単なる知識の集合体なのではなく、中学高校生活に必要な様々な能力であり、それこそが価値のあることなのだと思います。

「比べず」「妬まず」「否定しない」

そして、最後は、私自身への戒めにもなりますが、中学受験においては「比べず」「妬まず」「否定しない」こと。もちろん、わが子の成績をほかのお子さんと「比べることなく」、成績の良いお友だち(やそのご家庭を)「妬まず」、わが子の成績や答案を「否定しない」こと。どんな成績であっても、子どもたちは一生懸命に問題を解いているし、間違えたいと思って間違えている子は一人もいないはずです。冷静に考えれば、それは当然だと思えるのですが、算数の大問1の計算問題でミスをしたり、国語の漢字が汚くて×になっていたり、社会の漢字を間違えたりしていると、ついつい小言を言いたくなってしまうんですよね…。でも、叱ったりお説教したりしても、成績が上がることは非常に稀なことなので、息子に対して、ポジティブな声かけをして、コツコツと日々の学習習慣と勉強に対する自信を築いていきたいと思います。

中学受験を通して、子どもは確実に大きく成長します。そして、中学受験は親子で取り組むことができるとても良い経験ではないかと思います。2021年5月から書かせていただいていたこのブログも、今回で最終回となりますが、あと2年間、息子にしっかりと寄り添いたいと思います。一緒に頑張りましょう!

Sakurakoさん

Sakurakoさんのプロフィール

中学1年生の女の子と小学校4年生の男の子のママ。上の女の子は2021年の中学受験で第一志望の中高一貫校に合格。下の男の子も今年からサピックスに通塾をはじめました。
Sakurakoさんの記事一覧