ボランティア活動を始めたきっかけは?
聖っ子プロジェクトの主要メンバーとして活躍している高2生の皆さんとクラス担任の出水良仁先生から、企画立ち上げの背景や活動内容をお話しいただきました。
齋藤さん:特養施設でのレクリエーションや学校近隣で開催される夏祭りの手伝いから、ごみ拾いのような身近なものまで、今まで実施してきたボランティア活動のリーダー経験を活かして、各部門のメンバーにアドバイスを与える役割を担っています。自作ゲームを軸にするアイデア自体は先生からいただいたものですが、それをどうやって展開・実現するのかについて生徒間で会議を重ねてきました。
大山くん:父が会社経営をしている姿を見てきたので、僕自身も同じように大掛かりなイベントの運営経験から人の流れを学んでみたいと思ってきました。現場に立たないと理解できないことがたくさんあるだろうと予想できたので、小学生が実際に足を運ぶゲームイベント会場の運営を担当しています。多摩大学の教授・大学生と協働しながら物事を進めるのはとても刺激的な体験です。
佐々木くん:ゲームを作るという企画内容を聞き、中学生の頃からのプログラミング体験を活かしたいと考えたのが参加のきっかけです。地域貢献につながる点や、チーム全体が協力しながら物事を進める過程にも興味を持ちました。自主ゲーム制作には高いスペックのPCが必要となりますが、もちろん個人や学校が用意して済むという話でもありません。そんなわけで、クラウドファンディングの実施というアイデアが生まれました。
細野くん:普段の学校生活では体験できない何かにチャレンジして、今までの自分よりも一歩前に踏み出したいと考えていた折、経営視点が求められるプロジェクトに出会ったことで参加を即決しました。グループ内で役割を設定する際に役職名を付け合ったのですが、僕の場合は「社長」になりました。
齋藤さん:プロジェクトの成功にとって重要なマイルストーンとなる聖祭(文化祭)では、校内外の参加者をゲームセンターに迎え、大いに賑わいました。しかし、当日になって気づいた準備不足や予想もしていなかった参加者の動きにとまどい、さらには機材トラブルにも見舞われました。座学では得られない失敗や成功を体験できることが、組織づくりの楽しさにもつながっていることを再認識させてくれました。
大山くん:多摩市とのイベント本番に向けたシミュレーションとして聖祭を捉えていました。自作ゲームを遊んでいただいた参加者にアンケートを取った結果、「楽しかった」という声だけでなく、半数以上の人が「みんなと一緒にゲームを作ってみたい」「プロジェクトに参加したい」といぅもので、大きな手応えを得ることができました。
佐々木くん:セガから指定があったゲームエンジンを使いながら、夏休み中はずっとプログラミングを続けてきました。プログラム言語を一から学び、デザイナーやプログラマーと協働作業をするのは予想以上に手間がかかり、テストプレイができていないギリギリの状態で聖祭を迎えることになりました。
細野くん:プロジェクトの中間目標にしていた聖祭でのゲームセンターを開催できましたが、実現にはプログラミング用PCだけでなくゲーム用コントローラーや配布用の缶バッジなどが必要となり、資金調達のためにクラウドファンディングの成功が鍵となっていました。目標は30万円とし、わずか2か月で36万円に達することができました。
出水先生:昨年度に校外の方々との折衝を担当してくれていた齋藤さんがアドバイザーとなったため、メール文面や大人同士のやり取りが必要な場合以外は生徒主体で進めるように声をかけていました。みんなが聖祭で明らかになった問題点を改善しながら、多摩市でのイベント開催に向けて懸命に取り組んでいますよ。ずっと見守ってきたからこそ分かるのは、「一人前の運営ができるようになった」「もう手を出すことはない」ということです。信じていれば、大きく育つものですね。