生物・化学選択の生徒による探究
日大櫻丘では、高校3年次に生物・物理・化学の選択授業があり、見学したのは生物と化学の選択者が集まる1コマ。生徒は自ら研究テーマを決め、実験をし、考察して2月にポスター発表をします。
取材日に実験するグループがあるというので、生物実験室へ向かいました。
テーマは「生分解性プラスチックの研究」で、実験の第一段階として乳製品からプラスチックを作ります。まずは牛乳・無調整豆乳・調整豆乳を80度まで温めます。
温めた乳製品にクエン酸を含むレモン汁を投入。すると、カゼインというタンパク質が沈殿します。茶こしでカゼインを取り出したところで授業終了のチャイムが。この先の実験内容についてメンバーに尋ねると、「今、取り出したカゼインが、環境に優しい生分解性プラスチックになります。型に入れ、乾かして固めたら、原料が異なる3種類のプラスチックの違いを調べていきます。耐久性や、火にかけたら気体がどのように出るのか、土に埋めたらどう分解されていくのかなど、2月のポスター発表に向けて実験を続けます」と教えてくれました。
グループのメンバーに、自分たちでテーマを決めて研究する新しい取り組みについて感想を聞きました。
化学選択 Y.Mさん:興味や関心があることを調べて発表することは、今後、大学での研究やプレゼン、就職先での企画立案で活かせると思います。
生物選択 S.Sさん:コロナの影響で実験する機会がそもそも少なかったこともあり、自分たちが調べたかったことを実験しながら研究できることがすごくうれしいです。
生物選択 H.Yさん:一般の高校だと、3年次に自由に研究する時間を確保することは難しいはずなので、大学付属校の強みが活かされていると感じます。
化学選択 H.Mさん:外部大薬学部への進学が決まっている自分にとって、他校から入学する生徒にはない経験を積めていると思います。
彼女たちが生分解性プラスチックの実験に奮闘するなか、あるグループが3匹の生物との初対面を果たしていました。