我が子の2月1・2・3日…濃厚な時間を回想する【future vol.10】

皆さま、本年もよろしくお願いいたします。

中1の長男は、かまぼこの飾り切りと、お雑煮を作る! という宿題が学校から課されておりました。公立中に進んだ長女にはなかった粋な課題に学校からのメッセージを感じました。何より、1年前は元旦から塾のお正月特訓で帰省することもなく家族だけで食べたおせちとお雑煮を、今年は祖父母交えていただくことができたことに幸せを感じたお正月でした。

長男の2月1日・2日・3日の「リアル」

時を、長男が小学6年生、2022年2月1日に戻します。

朝6:00起床。1月の埼玉受験とは違います。今日から受験する4つの学校は全て本命校。合格したら通いたいと思っている学校です。

前もって決めておいた服に着替えてリビングに降りてきた息子。薄手のヒートテックに、オックスフォードシャツ。ラムウールのカーディガンに極暖の靴下。もっとラフなスウェットでも良いんだよ? と、服装決めの際に話し合ったのですが、本人が普段からシャツスタイルが好きで、「シャツ着てるとイイ子に見えるっぽいんだよ! だから、イイ子にしなきゃって思うの! シャツって姿勢良くしてないと苦しいしさぁ~受かった後のことを考えると第一印象は大事だし!」

いやいや、入試に何人の子どもがいると思っているんだろう。いちいち先生方も覚えちゃいないよ…と突っ込みたかったが、12歳なりに考え、受験する全ての学校に対しての憧れと敬意を感じたので、「名案ね!似合ってるし、暑かったらカーディガンで調整できるしね!」と、後押ししました。今思うと1月後半辺りから、長男の考えを否定することなく、肯定して過ごしていました。余分なストレスを感じさせず、長男自身の判断に自信をつけさせたかったのかもしれません。

朝食のあと、自家用車で学校の近くまで行きました。なんと、きょうだいがコロナによる学級閉鎖になってしまったのです。幸いにも元気で濃厚接触者にも該当しなかったのですが、念のため自家用車にして、受付時間ギリギリにつくように向かいました。早くついてもジッと待つだけになると思ったので。

学校に着き、長男と別れる際に『行ってきます』と言って校舎へ向かって歩いていく長男を見えなくなるまで見送ろうとずっと見つめていました。「頑張れ!」と、心の中で何度も何度も祈りながら…。

すると30m行った辺りで、誘導のために立っていた先生が何か長男に話しかけたかと思うと、長男はこちらを振り返り、マスク越しでも分かるくらいの満面の笑みで肩からブンブンと大きく手を振ってくれました。私も大きく振り返し、長男に声をかけてくださった先生に深くお辞儀をすると、先生も「お預かりします」と言ってくださったようなお辞儀を返してくださいました。

少しウルっとしながら保護者控室に向かおうと振り返ると、別の誘導のために立っておられた女性の先生が「イイ子ですね。我が子のときを思い出しました」とおっしゃいました。長男よ…早速シャツの効果があったようだよ。イイ子だって(笑)と、流れそうだった涙は引っ込んで、一人マスクの中でクスクスしながらストーブのそばの席で、12:40まで過ごしました。「先生方があたたかい素敵な学校だな」と思いながら。

お昼ご飯は家で食べる

午前の受験を終え、浸る間もなく車に乗り込み自宅へ戻ります。入試に付き合っていた私に代わって、夫がお昼ごはんを用意してくれていたので、サッと食べて30分だけ塾へ。そして塾から歩いて午後入試の学校へ向かいます。

こちらの学校も保護者控室は体育館。しかし、午前校とは違い、free Wi-Fiと、3種類のペットボトルのfreeドリンク完備。オルゴールディズニーのBGMまで流れています。見学に来た際はスリッパ持参だった学校でしたが、入試の際はシートが敷かれており土足のままOK!体育館では常時学校紹介動画が流れており、校長先生のご挨拶もありました。学校によっていろいろ違いはありますが、こちらも素敵な学校でした。

2教科なので18:20に2校目の入試を終え、そのまま徒歩で再び塾へ。30分間先生と顔を合わせて緊張をほぐします。先生に「ミスが目立つ」と言われ…怖くなった私。「これは模試ではない。じゃあ次は気をつけよう」ではないんだ。結果は当日23:00に午後入試分が発表されます。どうしても先生の「ミス」という言葉がよぎり、翌日も6:00起きの長男は寝かせて、夫婦で結果を見ました。
「合格」
全落ちのリスクは免れた。でも、受験する4校のうち、4番目に行きたい学校の合格。まだ始まったばかり。考えるのは数日後にとっておいて睡眠を取ろう。夕食のすき焼きは長男の希望だった。私は味がしなかったけど、長男は美味しいと喜んで食べていた。大丈夫。足をひっぱらないようにしよう。