大学附属校ならでは!たくさんの方が指導に参加
多摩大学附属聖ヶ丘中学高等学校(以下、多摩大聖)の「A知探Q」の実施期間は7月24日~8月1日。その前半・後半のそれぞれで多彩な講座が開講され、生徒たちは好きなものを選んで受講します。一人で複数の講座に参加する方もいるとか。対象は中学1~3年生です。
7月26日にお邪魔したところ、「イイ香りの科学と脳」の講座が開かれている生物室では、机の上に小さくて茶色い物体が。着火すると匂いを出すお香を作っている途中で、材料を練り上げてから乾燥させる工程だそうです。
実験を楽しみながら、嗅覚について知り、人間の五感について考えるきっかけが得られる機会となりました。
こちらの講座には多摩大学の学生の方々も生徒をリードする立場で参加。大学附属校ならではの指導体制でした。
ほかの講座でもゲスト講師を招いたり、高校生が運営を手伝ったりして、どの教室も活気に満ちていました。
和菓子作りを教えてくれるのは…校長先生!?
さて、次は講座「和菓子の世界」に向かいます。ドアを開けるとそこで指導していたのは、なんとエプロン姿の石飛一吉校長でした。講座のテーマは和菓子の琥珀糖づくり。砂糖と寒天を煮詰めてから食用色素で思い思いに染めていきます。
多彩な講座の理由は「高校への助走」
先生の意外な一面に触れることもできる「A知探Q」。各講座が教科の枠にとらわれない内容で、生徒が楽しめるものになっていました。
こちらの「プロに学ぶCM制作」の講座は、映像制作についてレクチャーを受けてから、いざ実作! 「消しゴムのCMを作る」という課題が出されました。普段からCG制作を趣味にしている生徒の作品を見て、みんなが驚くという一幕も。その生徒は「普段、CGについて話せる機会もないので、こうして特技を披露できてうれしかったです」と話していました。
外部講師として弁護士を招いた講座もあり、その名も「逆転裁判~その発言、ちょっと待った~」。別日に裁判を生徒とともに傍聴し、その振り返りをしながら事件の要点を説明していました。法廷でのやりとりはとてもスピーディーで、専門性も高く、なかなか理解が難しかったそうです。しかし、講座で詳しい解説を聴いて、さまざまな気づきが得られました。
今回の「A知探Q」は非常に自由でバラエティーに富んでいますが、実は重要な目標があります。それは、答え(Answer)のない学びで、生徒の好奇心を刺激して、疑問(Question)を持たせること。そして、その経験を高校から本格化する探究学習の助走にすることです。
高校からの探究学習は自分自身で調査・研究を深めるというなかなか高いハードル。ですが、高校生・大学生・ゲスト講師など幅広い方々がきっかけをくれる多摩聖なら越えられそうだと思いました。