新教科の期末テストは「街なか」で市民と話すイベント【エデュスタッフ訪問記】

12月8日、小田急線「多摩センター駅」近くの大通りで「期末テストやってま~す!」という不思議なかけ声が響きわたっていました。大勢の高校生と通行中の人でにぎわう理由は、なんと多摩大学附属聖ヶ丘中学高等学校のプレゼンテーション大会。発表に対する反響が大きいほど、期末テストに点数が加わる仕組みで、実社会に関わろうとする学校の教育姿勢が見える一幕でした。

多摩市の課題解決策をプレゼンテーション

会場となった多摩センター駅前の風景

プレゼンテーションをする生徒たち

多摩大学附属聖ヶ丘中学高等学校(以下、多摩大聖)が開いたこちらのイベントは「街なか探究期末テスト」。新教科である「総合的な探究の時間」の期末テストとして行われました。高校1年生全員が22グループに分かれ、これまで向き合ってきた多摩市の社会課題について発表。子育て支援、バリアフリー化、公園の整備といったさまざまな課題について、生徒が解決策を提案します。

通行中の方が足を止め、生徒の発表を聞いていました

高校2年生がスタッフとして参加。後輩をサポートします

イベント開催地は多摩市に含まれるエリアです。そのため、聞き手の大半も多摩市民の皆さんでした。生徒の発表に対して、実際にその地域に住んでいるからこそ知っている情報を伝えるなどしていました。生徒たちにとって大きな収穫が得られた1日になったことでしょう。

市民の皆さんの声が新しい発見につながる

生徒のプレゼンテーションは導入・課題・解決策を分けたハッキリとした構成で、多摩大聖が表現力育成に力を入れていることを物語っていました。

「聖蹟桜ヶ丘駅周辺の魅力化」について発表したグループは、駅周辺で住民にアンケートを行い、地域の長所・短所を調査。映画などと関連づけたイベントを行い、人を呼び込むことで、地域の活性化が達成できると話していました。

プレゼンテーションを聞いた多摩市民の皆さんからは「駅から少し離れたところは自然豊かだから、地域のPRに活かせるかもよ」「子どもが過去に比べて減ったことも地域の課題です」といった反響がありました。

発表に対して、地域の方からのコメントがたくさん寄せられました

来場を呼びかける生徒たち

こうしたやりとりについて、生徒は「自分たちには見えなかった課題があることが分かりました。これから2年生になって、さらに多摩市について調べるときに視野を広げたいです」と今後の展望を話していました。

飛躍的な成長につながる

石飛一吉校長

会場で生徒を見守った石飛一吉校長は「街なか探究期末テスト」について、「生徒の表現力が飛躍的に伸びるきっかけになる行事です。また、高校2年生になってから総合的な探究の時間で、多摩市をより深く捉えていくためのヒントがたくさん得られます」とその意義を解説してくださいました。

総合的な探究の時間は、生徒本人が興味のあるテーマを研究する高校の新教科。大学受験の総合型選抜で実績が評価されるケースもあり、各私立校で生徒のサポートに力を入れています。その中でも、実社会をフィールドに授業を展開する多摩大聖は、一歩先を行く学校だと言えるでしょう。

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