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改めて考えてみる「男子校の魅力」とは?
今回もまた、明法中学・高等学校の早川哲生先生、獨協中学校・獨協高等学校の古池俊明先生、明治大学付属中野中学・高等学校の佐々木孝彦先生、本郷中学校・高等学校の横尾朗大先生、佼成学園中学校・高等学校の南井秀太先生の5名による男子校トークが続きます。
佼成 南井先生:
男子校に通うメリットはあるのか、といった声が校外から寄せられることがあります。この点について改めて考えてみましょう。よく想像されるようなこだわり気質(オタク気質も!?)をもった仲間と過ごす時間や居心地の良さは入学したら誰もが実感をするところ。思春期に異性の目を気にしないので、伸び伸びと自分の可能性をふくらませられる風土があるように感じます。例えば、男子ならではの鉄道・昆虫・ゲーム・スポーツなど関心を持っている生徒が多いので、友人もたくさんつくりやすいのではないのでしょうか。
明法 早川先生:
本校は高校から女子が入学してくるので、別学・共学どちらの良いところも取り入れることができています。中高いずれにしても、「人の失敗を笑わない」という学習方針を貫いてきました。成績で例えるならば、平均点にこだわることなく前回よりも100点満点に近づけるといったものです。そういった意味では男子校らしさを意識しない環境なのかもしれません。
獨協 古池先生:
個人差はあるものの、総じて男子は計画的な取り組み(逆算思考)が苦手な傾向にあります。そこで、入学直後から「時間を管理できる大人」を目指して、生徒一人ひとりに手帳を配布しています。まず中学1、2年では、自分の活動を「目に見える形」にするべく、日々の活動(宿題やさまざまな振り返り、部活や行事の活動計画など)を丁寧に記録する取り組みをおこなっています。
明大中野 佐々木先生:
やはり部活動への思い入れはずば抜けていると思います。私が顧問をしている射撃部の場合ですと、練習計画や目標の設定はもちろんのこと、高校生による中学生への技術指導や他校との練習試合の調整に至るまで、多くのことを生徒たちの自主性に任せています。文化祭にしても、当然ですが男子だけで部の発表展示や模擬店の飾り付けなどすべて行います。男子独特の団結力、学年問わす縦横するつながりがべースになり、時間をかけて鍛えられた「生きる力」が本校の強みと言えます。
本郷 横尾先生:
本校も手帳を使った生活習慣の確立を大切にしています。勉強は「ふり返りの時間」を設けなければ単なるルーティン作業となり、やらされていると感じてしまうものです。そういった気持ちを払拭するために、20文字以内で書いた大きな目標を教室に掲示し、達成させるために今週は何をすべきか、今日は何をすべきかと逆算していきます。男子は競争意識に働きかけると目の色を変えるようになります。賛否はあるかもしれませんが、あえて成績順位表を掲示したら全体の結果が上昇しましたよ。