【男子中をつなぐ特集2024】Vol.03 開成・麻布も参戦!先生が本音をぶつけ合う座談会 第1弾

今年度も連載形式で男子校の魅力を先生方に語り尽くしていただく「男子中をつなぐ特集」がスタートしました。
今回は東京私立男子中学校フェスタ2024(以下、男子中フェスタ)の一般参加校、計19校のうち半数の9校にお集まりいただき、男子中フェスタの振り返りをはじめ、男子校ならではのトピックスや最新の出来事について話し合っていただきました。それではさっそく会談の内容をご紹介してきましょう。

座談会参加校と先生方

麻布 校務主任の松田隆先生
足立学園 中1学年主任・授業研究係主任の飯山泰介先生
開成 広報委員長の永野敬久先生
京華 入試広報副主任の國廣亮太先生
芝 入試・広報部部長の池之上正明先生
世田谷学園 広報部長の宝地戸通至先生
高輪 入試広報部長の松崎武志先生
日大豊山 入試広報部長の田中正勝先生
明大中野 入試広報委員長の佐々木孝彦先生
(※学校名略称、※五十音順)

各校の先生方が大集合
後列左から開成の永野先生、京華の國廣先生、麻布の松田先生、日大豊山の田中先生、芝の池之上先生。 前列左から世田谷学園の宝地戸先生、明大中野の佐々木先生、足立学園の飯山先生、高輪の松崎先生。

麻布・開成も新たに会場参加校となった男子中フェスタ

今年度からは参加校として「超のつく進学校」として知られる麻布と開成が加わり、従来以上に男子校の多様性を感じられる会談となりました。

フェスタ当日の振り返りをお聞かせください。

麻布 松田先生
男子中フェスタが始まったばかりの1回目には参加しましたが、それ以降は今回に至るまで会場での参加がありませんでした。会場になった足立学園では、単純に楽しい思いをしましたし、手が空いた時間には他校を見て回ることができました。普段はそれほど手に取る機会がない他校の学校案内(パンフレット)や、個性的なアピールポイントの数々も良かったですが、とりわけ各校の生徒たち自身が学校の魅力を伝えている様子が印象的でした。

麻布 松田先生
麻布 松田先生:同じ男子校でも多様な伝統が下地になって個性に表れます

足立学園 飯山先生
たくさんの親子にご来場いただきましたが、会場となった本校がいつもの風景と異なる場面に新鮮さを感じていました。また、お子さんに合った学校をいろんな点から探そうという保護者の気持ちが強く伝わってきました。
私自身は獨協出身で、男子校に通ったのは正解だったと思っていますが、受験生の頃に男子中フェスタのような催事に参加していたら違った学校を選んだ可能性もありますね。

足立学園 飯山先生
足立学園 飯山先生:担当した5校合同の吹奏楽演奏で人間ドラマがありました

開成 永野先生
大規模なホール会場の説明会に参加しても手応えを得られることは少ないのですが、男子中フェスタは訴求対象が「男子中学校」と明確になっているのが良かったです。海外で開催した合同説明会で複数の男子校が集まる機会があり、その魅力を語り会った経験が参加のきっかけになりました。
常々、もっと積極的に本校の良さを発信したいと思っていましたが、説明会のレベルを超えたイベントで素のままの生徒を見てもらうのが一番のアピールになります。私が嬉しかったのは、他校の生徒と混ざり合い、校外での活動を純粋に楽しんでいる本校生徒の姿を見られたことです。

開成 永野先生
開成 永野先生:各校から集まった生徒たちの笑顔が最高でした

京華 國廣先生
会場のどこでも説明会が開かれていたという印象でした。来場者に対して自校の良さをアピールするのは当然なのですが、隣の教室でやっている他校の様子も見るようにすすめる姿勢が素晴らしかったです。競い合ったり、より良く見せようとすることなく、違いそのものを楽しむこと自体が、男子中フェスタのあるべき姿だと再確認しました。

京華 國廣先生
京華 國廣先生:男子校独自の連帯感が男子中フェスタの根幹にあります

芝 池之上先生
生徒パフォーマンスの一環として、足立学園の飯山先生がまとめてくださった5校合同の吹奏楽演奏が良かったですね。本校のほか、獨協、巣鴨、佼成学園、足立学園の全員が集まって約80名もの大所帯となりましたが、体育館の雰囲気がその迫力に巻き込まれていくのを感じました。

芝 池之上先生
芝 池之上先生:同年代の男子が一丸となって来場者をもてなす様子に胸を打たれます

世田谷学園 宝地戸先生
鉄道研究同好会の顧問なので、9校が鉄道関連の知識を競い合う「男子校 鉄道王決定戦」を見させてもらいました。かなりマニアックな質問があり、誰も答えられないと思いきや、来場者親子が正解を知っているという場面がありました。年代を越えて男同士が語り合えるこの様子そのものが男子校というものだと妙に納得しましたね。

世田谷学園 宝地戸先生
世田谷学園 宝地戸先生:部活動やサークルを通して他校とのつながりを持つことがあります

高輪 松崎先生
私も旅行・鉄道研究部の顧問を任されているので、今回は先ほど世田谷学園の宝地戸先生がおっしゃった鉄道王決定戦で出される問題を作るという大切なミッションを預かりました。午前に予選を勝ち抜いた3校による決勝戦の問題は記述式としたので、知識に自信がある生徒にとっても難しかったことでしょう。多くの一般来場者にも楽しんでいただけたようで感無量です。

高輪 松崎先生
高輪 松崎先生:たくさんの方々が男子校の魅力を体験できるきっかけを提供したいと思っています

日大豊山 田中先生
運営側としては大会場を貸切った方がいろいろと楽なのかもしれませんが、それでも学校を会場にしている理由は、生徒や先生方が身近に感じる環境の中でこそ本来の姿を見せられるからです。他校の生徒でも受験生時代に個別相談で話し合ったことをお互いに覚えているケースがあり、私の気持ちとしては本校の生徒と同じように目をかけてあげたいです。男子校同士のつながりとは、そういったショートストーリーが折り重なってできている強い絆のようなものなんです。

日大豊山 田中先生
日大豊山 田中先生:生徒と同様に私自身もきちんとしないといけないと自分に言い聞かせています

明大中野 佐々木先生
本校では生徒会役員の他、有志の生徒が参加してくれました。コロナ禍以降、生徒による広報用の動画制作に取り組み始めているのですが、コロナ禍まっただ中であった2020年のオンライン男子中学校フェスタ用に生徒が制作した動画が、男子校のリアルな姿を紹介している内容で、あまリにも出来が良いために今でも広報イベントで使っているほどです。こうした活動を通して生徒だけでなく私たち教員にも気づきがあると考えています。

明治大学付属中野 佐々木先生
明大中野 佐々木先生:どんな活動でも学びや気づきにつながります