【男子中をつなぐ特集2024】Vol.06 無限の可能性を感じさせる 多種多様な男子校による座談会 第4弾

男子校の先生方にお集まりいただき、会談形式で本音を語り合う「男子中をつなぐ特集」の最終回となる連載6回目は、前回の座談会に引き続き、男子校10校それぞれから入試要項の見方やアピールポイントをご紹介してもらいました。

座談会参加校と先生方

暁星 入試広報部部長の川奈部智久先生
佼成学園 教頭の簗瀬誠先生
城北 教頭の清水団先生
巣鴨 入試広報部部長の大山聡先生
聖学院 広報部長の早川太脩先生
成城 中学教頭・入試広報室長の中島裕幸先生
東京都市大学付属 広報部の田中拓斗先生
桐朋 広報部の成本裕泰先生
獨協 広報部の鈴木佑麻先生
本郷 入試広報部長の野村竜太先生
(※学校名略称、※五十音順)

前列左から城北の清水先生、獨協の鈴木先生、巣鴨の大山先生、成城の中島先生、 後列左から本郷の野村先生、佼成学園の簗瀬先生、東京都市大学付属の田中先生、桐朋の成本先生、聖学院の早川先生

意外な視点から比較する男子校の魅力

中学受験にチャレンジするのでしたら、入試そのものに各校の教育方針やアドミッション・ポリシー(学校側の受験生を受け入れる方針)が含まれている点は強く意識しておく必要があるようです。先生方からお話しいただいたアピールポイントをご紹介します。

ー先生ご自身がおすすめしたいアピールポイントを教えてください。

暁星 川奈部先生
2点あって、カトリック校の教えとフランス語(第二外国語)教育を行っている点は外せません。道徳教育の一環として宗教の授業が週1時間あり、聖書をテキストとしています。授業ではSDGsや人工授精などの現代的なトピックを扱っているほか、主なミサは式典で行われますが、今年から毎週火曜日に朝ミサを行っています。中学ではフランス語と英語のいずれかを第1外国語として週6時間、他方を第2外国語として週2時間学びます。特に第1外国語でフランス語を選択したクラスをエトワールコースと名付け、フランス語の習得のみならず、フランスの地理・文化に触れる取り組みを行っています。

実は希少なキリスト教系男子校
暁星と聖学院は希少なキリスト教系男子校のひとつです

佼成学園 簗瀬先生
アメフト部はこの8年間、公式戦では3回しか負けていない強豪校です。OBたちの中には、日本代表チームから世界で活躍した人がいます。部活動だけでなく、探究学習でも全国レベルで評価されており、シンガポールの研究発表大会に2年連続で選出されるなど、さまざまな受賞を重ねています。グローバルコースは海外研修としてベトナムで社会問題の解決に取り組んだり、ロンドンでもプレゼンテーションをするなど、企業との提携によるアントレプレナーシッププログラムを導入しています。

いち早く海外大実績を出してきた佼成学園
佼成学園では毎年少しずつ海外大実績が伸び続けています

城北 清水先生
探究の授業で生成AIの導入を本格化させていきます。DXハイスクールのシステムを利用して、チャットGPTのフルバージョンを高校3年生全員が実際に試しました。卒業生でもある専門家の先生からは、導入の部分と使い方の部分をレクチャーしてもらい、パソコンのローカル環境上で生成AIを動かせるような取り組みも始まりました。DXハイスクール認定校のメリットを存分に活かしている最中です。

進学校でも部活動による人間教育が重要
進学校だからこそ重視されるのが部活動での人間形成です

巣鴨 大山先生
多様な個性を持つ生徒たちが校内外で活躍しています。心身を鍛える伝統行事がたくさんありますが、体育祭を国立競技場で実施したり、イギリスやアメリカなどへの巣鴨オリジナルの研修旅行を始めたりするなど、新しい取り組みもどんどん進めています。充実した学校生活の中で、将来の夢を実現する力を育んでほしいと考えています。

巣鴨といえば校外行事で有名
巣鴨といえば校外行事の豊富なバリエーションで有名です

聖学院 早川先生
本校の隣には女子聖学院があり、月に5~6回の合同活動を通してSDGsの男女協働を体現しています。本校もDXハイスクール認定校となり、3Dプリンターをはじめ、男の子が興味を持ちそうなこと、もの作りに関わるツールなどを導入して生徒をサポートできる体制を整えました。他校との連携を含めて、いろいろと新しいことをやっていこうとしているところです。

キリスト教系男子校は親子2代が通うケースもあり
キリスト教系別学校では親子2代が通うケースも見られます

成城 中島先生
全国に先駆けて開設した「臨海学校」が今年で100年を迎えました。開設当初は泳ぐことをメインとしていましたが、現在ではクラスの融和や協調性といった要素も、このような行事を通して養っています。「学習は、必ずしも教室の内、書物の上には限らざるなり」ということばが本校にはあります。教室の外でもいろんなことを体験して、バランスの取れた人間性を育てるために、学校行事を大切にしています。

自由すなわり自律の精神が養われる環境
自由だからこそ自律の精神が問われる環境があります

東京都市大学付属 田中先生
東京大学の野球部で主将を務めたOBがいるなど、OBの活躍が著しいです。中学硬式野球部は関東大会に出場したり、少林寺拳法部がインターハイに出場したりするなど、活躍する部活動が徐々に増えてきたように感じます。さらに今年からは、学校説明会やミニ見学会といった機会を通して、生徒が生の声を伝える広報活動がスタートしました。

設備・施設は私立が選ばれる重要な要素
私学の施設・設備は中学受験にとって重要な選択基準となります

獨協 鈴木先生
「体験が人を育てる」という考えに基づき、例えば夏休みにはイギリスへのホームステイ、ドイツへの研修旅行、さらにはアメリカのイエローストーンへのサイエンスツアーがあります。そのほか春休みには小笠原諸島へ行ったり、今後はニュージーランドへのターム留学の機会もあります。生徒の希望に合う学びの機会を多種多様に用意しています。獨協医科大学との連携は系列校入試に加え、模擬講義や訪問会など一層充実してきました。毎年多くの生徒が入学していきます。学業と体験、充実した6年間が男子を大きく成長させていきます。

ビオトープを介した地域とのつながり
ビオトープを介して地域社会とつながりを持つユニークな取り組みがあります

桐朋 成本先生
今年は思いもよらないところで、卒業生が各分野で活躍しているのが頼もしいです。お笑いコンビとしてブレイク中の卒業生は、昨年の某グランプリで優勝しました。パリの国際大会で400mハードルに出場した卒業生もいます。お笑いのチャンピオンとスポーツのオリンピアンが両方出たのが話題になりました。もちろん中高に在学しながら活躍する生徒もたくさんいますので、今後の動きに注目していきたいと思います。

独自のカリキュラムこそが私学の醍醐味
独自のカリキュラムこそが私学の醍醐味です!

本郷 野村先生
最近は他校とコラボする文化部が増えてきました。例えば社会部が昭和女子大とディスカッションをしたり、料理研究部が三輪田学園と一緒に料理を作ったりしています。男子だけの空間に限らず、外部との活動も小学生には見ていただきたいです。

学年を超えた交流が育む母校愛
学年を超えた交流が母校愛と独自の文化を育みます