今の日本が抱える教育業界の問題点とは?
学校教育にできない教育とは何かを考える時期
エデュ:今の教育業界を見ていると、色々な情報があふれてはいますが、明確にこうした方がいいよと言える大人がいないように感じます。
清水さん:そうですね。教育の効果や成功定義は非常に難しいので、「絶対こうした方がいいよ」というのはなかなか言いづらいとは思います。ただ、私は日頃、次々と新しい教育のやり方を打ち出している中で、「それは本当に子どもたちのことを考えているの?」と思うことはよくありますね。
エデュ:確かにそれは感じますね。教える側の教師も次々と新しいものがくると対応が難しいでしょうし…。
清水さん:学校に何ができるかと同時に、「学校に何ができないか」を考える時期だと思っています。学校などの教育機関になにもかも任せるのでは教育が破たんしてしまいます。家庭や地域共同体で何を担うのかを議論しなければいけない時期です。
エデュ:それは、まだまだ家庭や地域共同体でできることがあると?
清水さん:はい。たとえば家庭でのコミュニケーションを変えてみる、という視点があります。たとえば、実際にプラスティーの生徒の親から「うちの子はゲームやLINEばかりして、勉強しないんです」という相談を受けます。これに対して、私は「お母さまは一緒にゲームをやったり、LINEでスタンプを集めたりしましたか?」と聞くと、「いえ、やったことがありません」と。
実は、この「相手が大事にしているものに関心を寄せる」というのが教育において非常に重要です。相手の承認欲求が満たされ、愛を感じてもらえるようになります。ですので、まずは子どもが夢中になっているものを、30分だけでもいいのでやってみてあげてほしいですね。
子どもたちの教育の前にやるべきことが
エデュ:最後に、未来の子どもたちに大人ができる教育について、どのようにお考えでしょうか。
清水さん:私は、子どもたちに「これを勉強しなさい」とか「これをできるようになりなさい」という前に、まずは大人たちがお手本になるようにならないといけないかな。と思っています。
教育では教える側(先生)と、教えられる側(生徒)という関係がありますが、その前に一人の人間と人間であると思っています。自分ができないことを相手に求めるのは、駄目なことですし、今までの教育は一方的で、大人たちに主体性がなかったことが問題だったなと感じています。
エデュ:その主体性はどうやったら生まれるのでしょうか。
清水さん:主体性というのは、相手との関係性で生まれます。自己との対話、他者との対話、社会との対話。この部分が決定的に足りなかったことが問題だったと思っています。ですので、まずは大人が日常生活で、会話している人に関心を持ち、社会に関心を持つ。そしてそのうえで、子どもたちにその姿を見せ、お手本になれば教育が変わる第一歩であるように思えます。
エデュ:なるほど。子どもは身近な大人の姿を見て、大きくなりますからね。
編集者から見たポイント
塾を選ぶ基準の1つとして、合格実績は必須項目の1つですが、あえてそれを出さず、「学ぶ楽しさを伝えるのが自分たちのミッションです!」と語っていた清水さんの姿は非常に印象的でした。
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