【奨学金最新事情】第1回:お金を理由に進学を諦めない!給付型奨学金最新事情(3ページ目)

企業や団体の奨学金をいれると今や7割が給付型!

入学後に家計状況が変化することも考えられます。そういう状況になった場合、すぐに学業継続を諦めがちになりますが、まずはJASSOだけでなく、大学にも相談してみましょう。大学は受験生に対する「予約型」以外に、入学した学生向けにも、独自のさまざまな奨学金を用意しています。

大学の奨学金が条件に合わない場合は、学外にも目を向けてみましょう。企業や公益団体等が設置する給付型奨学金もその数を増やしています。

JASSOの調査(「平成28年度奨学事業に関する実態調査結果」)によると奨学金事業の実施団体は5,028団体。実施団体でもっとも多いものは学校で2,618団体。ついで、地方公共団体が、1,137団体、公益団体が729団体となっています。医療関係機関や営利法人のほか、個人で奨学金事業を行っているケースもあり、前回(平成25年度)の調査結果に比べ、団体数も金額も増加しています。

特にお伝えしたいのが、奨学金の支給形態で最も多いものは実は「給付型」ということ。全体の70.6%を占めています。意外と多いとことがわかります。

給付・貸与等別制度数

区分
地方公共団体
学校
奨学金事業団体
公益団体
医療関係機関
営利法人
個人・その他
給付
365
(24.1%)
6,713
(84.5%)
734
(70.2%)
31
(5.1%)
17
(47.2%)
47
(81.0%)
7,907
(70.6%)
賞与
1,132
(74.8%)
1,205
(15.2%)
294
(28.1%)
564
(92.8%)
16
(44.4%)
11
(19.0%)
3,222
(28.8%)
併用
17
(1.1%)
25
(0.3%)
17
(1.6%)
13
(2.1%)
3
(8.3%)
0
(0.0%)
75
(0.7%)
1,514
(100.0%)
7,943
(100.0%)
1,045
(100.0%)
608
(100.0%)
36
(100.0%)
58
(100.0%)
11,204
(100.0%)

( )内は「計」に占める構成比

出典:「平成28年度奨学事業に関する実態調査結果」

例えば公益団体では、株式会社ニトリの創業者でニトリホールディングス代表取締役会長の似鳥昭雄氏が代表理事を務める公益財団法人似鳥国際奨学財団は、①外国人対象奨学金、②日本人大学生を対象とした奨学金、③日本人高校生を対象とした奨学金、④日本人中学生を対象とした奨学金のすべてが返済義務のない給付型の奨学金です。

世帯収入が800万円以下で、日本人大学生の場合、給付額は自宅生が月額5万円、自宅外生が月額8万円。レポートの提出と財団が主催する行事への参加が義務づけられていますが、エントリーは、似鳥国際奨学財団のホームページよりオンラインで行うだけです。成績証明書も不要で、さらに募集要項には「奨学金受給による入社義務はありません」ということも明記されています。

他にも、公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団や、公益財団法人ダイオーズ記念財団公益財団法人帝人奨学会(修士課程、博士課程対象)、など、指定のない給付型奨学金を設けている団体もたくさんあります。