信販系の奨学金は利率が高いものもあるので注意が必要
エデュ:奨学金にはさまざまな種類がありますが、それらの情報をどのように得るかわかりづらいという声もあります。
久米さん:まず奨学金には大きく分けると「公的なもの」と「民間のもの」があります。公的なものは、国や地方自治体が行っている奨学金。民間のものは、企業や資産家の出資、善意の寄附金などで運営されている奨学金のことです。
教育資金の準備という観点で言えば、教育ローンもありますが、教育ローンを考えるのであれば、公的な日本政策金融公庫の「国の教育ローン」の検討をお勧めします。国の教育ローンは、民間の教育ローンと比べて返済利息が低いうえ、母子・父子家庭や経済的に厳しい家庭には優遇措置もあります。特に近年シェアを伸ばしている信販系の教育ローンは一般的に利率が高い可能性もあるので、注意が必要です。
奨学金に関する情報は、高校であれば学校の教員が窓口になっています。ただし、教員による情報格差が問題です。特に公立高校の場合は一人の教員が担当する業務も多く、学校間の異動もあるためノウハウが積み重ならないことが見受けられます。
一番の問題は、奨学金は生徒が借り主でありながら、親の収入が基準になっており、書類の記載も親の手助けが必要なのに、教員ができることは生徒への周知までだということです。しかも最も大切な奨学金の中身やリスク対策について周知ができておらず、申請の〆切や揃えるべき書類のことばかりの手続論に留まっているのが現状です。
私のウェブサイト(奨学金なるほど!相談所)や日本学生支援機構のウェブサイトでも奨学金の情報を得ることができます。まずは一度、検索してみてください。