身の回りや社会に目を向けることも中学受験勉強!~難関中学入試問題からの視点~(2ページ目)

算数でも「読む力」が重要になってくる

開成中学校算数入試問題

~開成中学校算数入試問題から~

はじめに2019年開成中学校の算数の問題を紹介しましょう。

K君が、弟のS君と一緒に、自宅からおばさんの家までスイカを運ぶというシチュエーション。

「おにいちゃん、ぼく、役に立った?」というS君の質問に、
「一人で運ぶのに比べて15/16倍の時間で運び終えられた」と即答するお兄ちゃん。

日常生活のほんの一コマを数量的に捉えて、こう即答してしまうのが、開成の子なのかもしれません。

ただし、この問題を紹介する理由は、そこではありません。この問題は、「K君が一人で運ぶのに比べて15/16倍の時間で運び終えられた」という条件を、「会話文」にして問題をつくっていますね。「ぼく=K君」「そうする=K君が一人で運ぶ」という言い換えをしているだけなのですが、こういう変化に弱い受験生が最近目立ちます。
『AI vs 教科書を読めない子どもたち』という本がベストセラーになりましたが、算数の問題を解く上でも、意外と「問題文を読めない」子どもたちが増えているのです。

勉強が苦手な生徒は、「解き方」を覚えて答えを出そうとしがちです。でも、「問題文を読む」「内容を理解する」ことができているかどうか。それを大切にすることが、これからの受験勉強では大切です。

(※解答は「開成中学校2019年度の算数解答」にあります。)