算数でも「読む力」が重要になってくる
![開成中学校算数入試問題](https://inter-edu.s3.amazonaws.com/edunavi/wp-content/uploads/2020/12/en_research_nyushi2020_04_01_02.png)
~開成中学校算数入試問題から~
はじめに2019年開成中学校の算数の問題を紹介しましょう。
K君が、弟のS君と一緒に、自宅からおばさんの家までスイカを運ぶというシチュエーション。
「おにいちゃん、ぼく、役に立った?」というS君の質問に、
「一人で運ぶのに比べて15/16倍の時間で運び終えられた」と即答するお兄ちゃん。
日常生活のほんの一コマを数量的に捉えて、こう即答してしまうのが、開成の子なのかもしれません。
ただし、この問題を紹介する理由は、そこではありません。この問題は、「K君が一人で運ぶのに比べて15/16倍の時間で運び終えられた」という条件を、「会話文」にして問題をつくっていますね。「ぼく=K君」「そうする=K君が一人で運ぶ」という言い換えをしているだけなのですが、こういう変化に弱い受験生が最近目立ちます。
『AI vs 教科書を読めない子どもたち』という本がベストセラーになりましたが、算数の問題を解く上でも、意外と「問題文を読めない」子どもたちが増えているのです。
勉強が苦手な生徒は、「解き方」を覚えて答えを出そうとしがちです。でも、「問題文を読む」「内容を理解する」ことができているかどうか。それを大切にすることが、これからの受験勉強では大切です。
(※解答は「開成中学校2019年度の算数解答」にあります。)