【奨学金最新事情】第5回:奨学金受給者への返済支援の取り組み(2ページ目)

奨学金の返済を支援する企業例

大和証券グループ「奨学金返済サポート制度」

大和証券グループ本社では、2018年より奨学金返済義務のある社員向けに返済資金を無利子で貸付けすることで、社員の金利負担を軽減する制度を導入しています。入社5年間は返済猶予期間とし、実際に返済が始まるのは入社6年目以降。若手社員の返済負担を和らげ、社員の奨学金返済における経済的、心理的な負担を軽くしています。

あおぞら銀行「奨学金返済支援手当」

あおぞら銀行は、大学・大学院在学中に奨学金制度を利用した入行3年目までの行員の奨学金返済を支援する制度を導入。具体的には、奨学金制度による借入金の5%を毎年一括して、入行から3年間支給する制度です。入行後、経済的な余裕がない時期の奨学金返済負担を軽減することで、働きやすい環境を整えるとしています。

イズミ「奨学金返済支援制度」

広島県広島市に本社を置き、総合スーパー事業を展開するイズミは、社会のスタートラインに立ったばかりの新入社員の負担を軽減し、安心して働ける環境づくりが重要との考えから、2019年度以降に入社する正社員を対象とした奨学金返済支援制度を導入。勤続3年目、5年目、7年目の社員に対し、返済中の奨学金残高額に対して10万円ずつ(総額30万円)を一時金として勤続年度の夏季賞与に加算して支給しています。

遠州鉄道グループ「奨学金返済補助制度」

静岡県浜松市で鉄道やバス事業を運営する遠州鉄道では、奨学金を借りている大学生・専門学校生で、かつ対象の職種(建設技術職、運輸サービス職、介護職・機能訓練指導員、自動車整備職)で遠州鉄道グループに採用された場合、奨学金返済の一部を補助する制度を導入しています。
例えば奨学金借入総額が400万円未満の場合、返済補助金(月単位)は7,000円で60ヵ月、合計30万円。400万円以上の場合では10,000円で60ヵ月で合計60万円です。

ノバレーゼ「奨学金返済支援制度」

ウエディングプロデュース・レストラン運営のノバレーゼは、奨学金を返済している正社員に、奨学金の返済資金として最大200万円を支給する「奨学金返済支援制度」を導入しています。この制度の発案は、自身も奨学金受給者であった当時の総務人事部社員が行った社員への聞き取り調査から。この調査で、社員の約3割が奨学金を受給していることがわかったことがきっかけだったそうです。支給対象者は勤続年数5年と 10 年の社員。2回の節目に、未返済分に対しそれぞれ上限 100万円、最大200万円が支給されます。