【奨学金最新事情】第5回:奨学金受給者への返済支援の取り組み(3ページ目)

奨学金返済を肩代わりする企業に特化した求人情報

奨学金返済を肩代わりする企業に特化した求人情報も

2019年12月には日本で初めて、奨学金返済を肩代わりしてくれる求人を紹介する求人サイト「Crono Job(クロノジョブ)」(運営:株式会社Crono(クロノ))がオープンしました。サービス開始時には10社以上の企業からの参画があり、2019年度中には参画企業100社、登録求職者1,000人を目指すとしています。

クロノジョブに掲載されている企業に入社が決まると、求職者は、自身が借り入れ中の奨学金の返済資金を企業に支援してもらえるという仕組みです。

このサービスの背景には、代表取締役である高瀛龍(コウ インロン)氏自身が、800万円の奨学金返済で留学を断念した経験があります。資金不足によって学びたいことや、やりたいことができないことに問題意識を持ち、「機会の平等」を実現するために立ち上げたのだそうです。

登録対象者は、貸与型奨学金・民間教育ローン利用中であれば、学生・就活生(新卒)・社会人(中途)問わず利用可能です。奨学金返済の形式は求人により異なりますが、入社時に一括で支援される方法と、勤続年数や評価に応じて段階的に支援される方法があります。

奨学金返済支援については「奨学金最新事情」第4回においても、地元企業に就学する人を対象にした自治体の奨学金返済支援についてご紹介しています。こうした奨学金返済支援は今後も増えてくることが予想されます。

給付型の条件に合わない場合は、貸与型の奨学金を借りたとしても、みなさんが思う以上に、進学を資金面で応援する制度はあります。そして、その後ろには「応援したい」と思う人たちがいます。制度は使う人がいて初めて生きるものです。金銭面において進学に悩むことがあったら、こうした制度を活用することを検討してみてはいかがでしょうか。