代替として始まったのが、インターネットのビデオ会議システムを使用したオンライン説明会です。居ながらにして気軽に参加できることもあり、中学受験生の保護者に大変好評とのこと。では、どのような内容なのでしょうか。
そこで、4月25日土曜日に行われた聖学院中学校・高等学校のオンライン説明会に参加した保護者の方に、その様子をうかがいました。
オンライン学校説明会ならではの取り組みも
聖学院中学校・高等学校(以下、聖学院)のオンライン説明会は午前10時30分から始まりました。学校の報告によれば、この日の参加者は51名だったとのこと。
オンライン説明会は取り組み自体も各学校でスタートしたばかり、広く告知はされなかったにもかかわらず、多数の方が参加されました。受験生の保護者をはじめ誰もが待ち望んでいた機会だったのかもしれません。
なお、今回の聖学院のオンライン説明会は、「Zoom」を使って行われました。
ビデオ会議システム「Zoom」とは…?
Zoomは、インターネットを介して複数人がリアルタイムで同じ画面を見ながらやり取りができるビデオ会議システムです。
難しい設定は一切なく、広く利用されています。「Zoom」と検索し、サイトにアクセスします。インターネットにつながる機器であれば、PC、スマホ、タブレットなど、どんな端末からでも利用することができます。
実際にオンライン説明会に参加した方にお話を聞いてみました。
エデュナビ(以下:エデュ):オンライン説明会に参加されたとのことですが、申し込みなどはどうなさったのですか?
保護者:学校で開催される説明会と同様に、学校サイトのフォームから申し込みを行いました。申し込みが完了して学校から送られてくるメールの中に、「Zoom」のURLが記載されていました。
エデュ:なるほど。従来と似たような流れですね。当日の様子を教えてください。
保護者:時間になったらZoomを立ち上げ、ミーティングに参加するとまず、司会の先生から、個人情報保護の観点から、「顔が映らないようにビデオをオフにする」、「音声が入らないようにマイクをオフにする」というアナウンスがありました。また、ユーザーネームについても本名で入力した参加者に向けて、ニックネーム等に変更することも伝えられました。Zoomでは、ビデオをオフにしても、参加者の名前が画面に出て、他の参加者全員に見えてしまいます。でも、最初にこういった配慮があったので、安心して説明会に参加できました。
参加者の準備が整うと、副校長から、建学の精神と学校概要について説明が10分ほどありました。こちらは通常行われる学校説明会と同じような感じでした。
校長先生の話が終わると、画面に、①オンライン説明会の参加理由、②説明会で聞きたい内容、③説明会を何で知ったか、という3つの設問が出てきました。参加者が該当する項目をクリックすると、その投票結果がリアルタイムに画面に表示される仕組みのようです。
エデュ:それは画期的ですね。オンライン説明会だと、参加者はビデオをオフにしているので、学校側からは参加者の反応が見えませんし、参加者にとっても、何か反応を返す場面がないと、CMの動画を見るのと変わりなく感じてしまいます。こういったやり取りがあると、オンライン説明会にも活気が出てきますね。
次はどんな内容でしたか?
保護者:投票が終わると、質問の②の結果をもとに、それぞれの分野の専門の先生がパワーポイントを用いて、聖学院の教育について説明してくれました。
続いて、コロナ禍での学校休校中の対応について話がありました。オンライン授業の内容や実際に生徒が授業を受けている様子、生徒の1日の生活に関する動画が流れました。今のこの状況の中で、聖学院の生徒たちがどんな生活を送っているのか、これから受験を考える保護者は気になっていると思うので、様子を伝えてくれたのは良かったと思います。
最後は入試に関する話で締めくくられ、ここまでで正味1時間でした。その後は、5人の教科担任が登場し、参加者がそれぞれの先生にアクセスして1時間ほどの個別相談が行われました。
エデュ:学校で行われる説明会と遜色なく、充実していますね。
保護者:そうですね。学校に足を運ばずとも学校の先生のお顔が見られて、お話が聞けるよい機会でした。
エデュ:ありがとうございました。
校舎や生徒の雰囲気まではわかりませんが、オンライン説明会は興味がある学校の様子を最初に知る手段として大変有効だと感じました。また投票は、インタラクティブなオンラインならではの機能です。さらにもう一つ、聖学院のオンライン説明会では、Zoomの画面上にQRコードが表示され、その場で聖学院の公式LINEアカウントに登録してもらう取り組みもありました。後日このLINEからは、説明会では放映されなかった動画の案内があったとのことで、登録した保護者は大変親切に感じたとのことでした。