オンライン授業でも人の温かさは伝わる!「双方向」を重視した授業
エデュ:オンライン授業は実際どのような内容なのでしょうか。
松島先生:スクールFCのオンライン授業には2つの柱があります。1つは、ポイントをわかりやすく解説した動画を見てもらうこと、もう1つは、オンラインでのライブ授業に参加してもらうことです。ライブ授業は、講師の自宅から配信されています。
授業の冒頭にはホームルームがあります。どの講師も、その時間にちょっとした遊びを行ったり、リラックスタイムをつくったりして、子どもたちの緊張をほぐすようにしています。
授業中は、講師と子どもたちがコミュニケーションを取れるように、たとえば、ミニホワイトボードや模造紙に答えを書いてみんなで見せ合ったり、ジェスチャーをしたり。
ときには子どもたち側のミュートを解除して、みんなで「できた!」「いいね!」とアピールして喜び合うなど、発言の場も意識的に設けました。やはり、子どもたちは誰かに承認してもらえると嬉しいんです。
学校が休校となり、塾のリアルな授業がなくなって、子どもたちは友だち同士で話せない状況です。だから、画面越しに顔を見られるだけでも、講師に名前を呼ばれるだけでも嬉しかったようです。そういう人と人とのコミュニケーションが生み出す温かさを大事にして、できるだけ双方向の授業をやるように心がけました。
エデュ:オンライン授業とリアルな場での授業が近づいてきた感じがしますね。
松島先生:そうですね。ですが、まだまだ課題は多いと思います。やはり同じ空気感の中で子どもたちと近い距離で話をしたりはできませんから。心が伝わる瞬間ってお互いが同時に話をしている中でも起こりますよね。オンラインだと同時には話せなかったりするので。
そういう意味では、普段のリアルなコミュニケーションとは違うコミュニケーションがオンラインで生まれていると思います。学習面にそれがどう影響していくのかは、教育関係の研究者の皆さんが検証しているところだと思います。
私たちも今のオンライン授業のやり方が絶対だとは思っていません。やはりリアルの良さというのがありますから。これからはリアルとオンラインとでそれぞれの長所を使い分けていく時代になっていくと思います。もしかしたら、第3の方法があるのかもしれない。新しい学習のあり方を考えていくよい機会だと思っています。
子どもたちの理解度・到達度をどう確認するかがオンライン授業の一番の課題
エデュ:子どもたちの理解度という観点からはいかがでしょうか?
松島先生:一人ひとりの理解度・到達度をどう確認するかが、オンライン授業の一番の課題です。リアルの場では、授業の前に宿題ノートを提出させて、講師がチェックしてコメントを書いて返したり、授業中に小テストを行ったりして、到達度が確認できます。
しかし、オンラインではそれができない。想定していたことではあったので、今は宿題やプリントを写真やPDFで、Googleドライブのフォルダに入れてもらう、といったようなやり方を行っています。添削したらまたフォルダに戻して、親御さんも一緒に確認できるようにしています。でも、これがパーフェクトなやり方だとは思っていません。