良い家庭教師の見極め方・選び方
続いて、家庭教師を選ぶときに、どのような点に気をつけたらよいかを見ていきましょう。
家庭教師の質に「高い>安い」は結構当てはまる
大手塾にも通い、家庭教師もつけるとなると費用はかなりかさみます。できるだけ押さえたいという気持ちもあるとは思いますが、料金の安さだけで決めることは危険です。
家庭教師を派遣する会社は複数あります。優秀な先生はお給料の高い(総じて利用料金も高い)会社に所属することが考えられます。安くて優秀な先生は残念ながらほとんどいないことは知っておいてください。
「体験授業を子ども部屋で」はNG
家庭教師を選ぶときには、必ず体験授業を受けてから決めるようにしましょう。家庭教師を派遣する会社では体験授業の機会を設けています。実際に授業を受けてみて「ちょっと違うな…」と思ったら、別の家庭教師に変えてもらうことも可能です。
体験授業を受ける場所については、子ども部屋でやろうとする家庭教師は、あまり良いと言えません。ダイニングやリビングなど、積極的に親御さんの前でやろうとする先生は「良い家庭教師」と言えます。「見られても大丈夫」という自信があるからです。
体験授業で見極めるためのポイントは3つ!
実際に体験授業を受けているときにチェックしたい、見極めポイントをお伝えします。
①表情の豊かさ
優秀な家庭教師は、子どものタイプによって自身の性格やキャラクターを変え、コミュニケーションの取り方を変えることができます。どう接したらわからないと戸惑うような、自信のない表情を浮かべていないかどうかを見ます。
②お子さまへの質問力
お子さまが自ら考え、自分で学力を身につけていくためには、「気づく力」が大事です。その「気づく力」をうまく引き出すような質問ができているかどうかを見ます。教えるだけの一方通行ではなく、たとえば、「今どこ見ていた?」や「どう考えた?」など、お子さまに気づきを与えるような質問ができているかどうかを見てください。
③お子さまの伸びしろを感じられる楽しい時間であるかどうか
親御さんが体験授業の様子を見ていると、「こんなことも知らなかったの?」「これまで塾で何をやっていたの?」と思わずお子さまに言いたくなってしまうことがあります。そういった場面で即座に、お子さまが良くなるにはどういうやり方がよいのかを提案できる家庭教師は、力量がある先生と言えます。
そして、授業を見ているうちにだんだんと親御さん自身の気持ちも前向きになっていき、わが子が「伸びていく予感」を感じたら、大変素晴らしい家庭教師と判断してよいでしょう。
まとめ
家庭教師をつけようと決心した段階では、「家庭教師をつけさえすれば何とかなるかもしれない」という期待があると思います。しかし、大切なのは「家庭教師をつけること」ではなく、「良い家庭教師を選ぶこと」です。
西村先生のアドバイスをもとに検討してみてください。
西村 則康(にしむら のりやす)先生
プロ家庭教師・名門指導会代表、中学受験情報局主任相談員、塾ソムリエ。
40年以上、中学受験指導を一筋に活動し、開成、麻布、桜蔭中学などの最難関中学に2500人以上を導く。受験学習を、暗記や単なる作業だけのものにせず、「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で切り込んでいく授業は親からの信頼も厚い。『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』(アスコム)、『中学受験は親が9割 最新版』(青春出版社)、『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。