社会の「公民」は、抽象的な表現が多く理解するのが難しいため、苦手意識をもつ受験生も多いようです。一方で、学習が広範囲にわたる地理や歴史よりも、ポイントを絞った学習が可能なのが「公民」です。2021年の入試問題から、御三家・難関校で出題された公民分野の問題をご紹介します。
中学受験塾では6年生から公民の学習が始まりますので、ぜひ参考にしてみてください。
中学受験塾では6年生から公民の学習が始まりますので、ぜひ参考にしてみてください。
押さえておきたいテーマは「人権」・「地方自治」・「政治のしくみ」
自分事として考えたい「人権」
人間が人間らしい生活を送る権利、誰しもが生まれながらに持っている権利が「人権」。
人権獲得には長い歴史があり、現代においては、社会の変化から新たな人権問題もおきています。その点からも入試でよく取り上げられるテーマの一つです。
【雙葉中学校の社会】
大問3の問3は、災害時に起きる事象によって脅かされる国民の権利に関する問題です。
【浅野中学校の社会】
大問1では、世界規模で拡大した新型コロナウイルスによる「ヒト」「モノ」「カネ」の移動の変化について説明しています。問18では文章に絡めて、感染拡大防止策によって生じたプライバシーの権利に関する問題が出されました。
【筑波大学附属駒場中学校の社会】
大問3は実際に起きた小学生の自転車事故に関する問題です。裁判の過程や結果が詳しく説明されています。問3は文章中にある「権利」についての問題です。
情報化社会が加速する中で、個人情報の流出やプライバシーの侵害の問題が増えています。また、ジェンダー、人種差別の問題も世論が高まる中、人権についての議論が盛んに行われています。人権に関することは、社会でのできごとと思われがちですが、一人ひとりが自分事として考えなければいけない問題として捉えて欲しい―。入試で取り上げられているのも、そんな学校側からのメッセージがあるように感じます。