中学受験の公民分野は、歴史や地理と比べると苦手と感じる受験生が多いようです。なぜ苦手意識を持ってしまうのでしょうか。その理由を中学受験専門の個別指導教室SS-1の副代表、馬屋原吉博先生にうかがいました。
公民に苦手意識を持ってしまう理由は?
イメージしにくい言葉がたくさん出てくる
一定の受験生が公民に苦手意識を持ってしまう一番の理由は、公民の分野で出てくる言葉の「抽象度の高さ」です。たとえば、地理分野で出てくる「南部鉄器」というキーワードについては、写真などを使って具体的に説明することができます。
一方、公民分野で出てくる「議院内閣制」や「憲法」は、言葉自体がビジュアルになりにくいものなので、言葉を言葉で説明する形になります。 説明する言葉自体を飲み込めないと、「わからない」となってしまい、苦手意識を持ちやすくなります。
塾での説明の時間が足りていない可能性も
SAPIXや日能研などでは、6年生の5月後半もしくは6月頃から公民の学習がスタートします。その時期から夏休み前までに公民分野を一通り終わらせるのですが、学習する量に対し、生徒に説明する時間が十分に取れない状態にもなっています。
公民の分野は、夏期講習でもう一度授業が行われるため、そこで復習しながら知識をつけていく形にはなります。しかし、お子さんは夏休み前までの授業段階で、すでに消化不良を起こしているので、モチベーションに影響が出ることも十分あり得ます。
「わからない」ため、興味が持てず、学習も進められないから苦手意識が助長されやすいということを、親御さんは念頭に置いていただければと思います。