入試の違い
教育方針、学費と並び、大きく違いが見られるのは「入試」です。
ひとくくりに「入試」と表現していますが、厳密に言うと、公立で行われるのは「検査」で、国立・私立は「試験」となります。
詳しく見ていきましょう。
国立中学校の入試
国立中学校の入試は、学校それぞれに異なります。たとえば、お茶の水女子大学附属中学校では、「報告書(※)」と「検査I」「検査Ⅱ」「検査Ⅲ」の3種類の検査で「入学検定」が実施されます。また、筑波大学附属駒場中学校では、第1次は抽選(ここ約10年間は応募者全員通過)、第2次は「報告書」(100点)と学力検査(国語、社会、算数、理科、各教科100点)となります。
※「報告書」とは、小学校の成績や学習の記録だけではなく、特別活動の記録や行動の記録、出欠の記録等が記載された書面のこと。
都立中高一貫校の入試
都立中高一貫校の入試は、「報告書」と「適性検査」と呼ばれる検査で入学が決まります。
適性検査は、学校が共同で作成する「共同作成問題」と、その学校独自に作成する「独自問題」にわかれます。検査内容は科目にわかれておらず、いわゆる「教科横断型」となっています。適性検査Iは作文、適性検査Ⅱは算数・理科・社会の複合問題、適性検査Ⅲは理系の問題で構成されます。また、I・Ⅱ・Ⅲの全て実施されるわけでもなく、IとⅡだけの学校もあります。
出題の仕方に特徴があるため、適性検査のための対策が必要になります。
私立中学校の入試
私立中学校の入試問題は、出題の範囲に特徴があります。
公立小学校で習う範囲を基本とし、そこから派生した知識も問われます。たとえば中学入試の算数では、学校では習わない「つるかめ算」や「旅人算」などの特殊算も出題されます。
範囲としては膨大になるので、私立は入試対策が必須です。
首都圏の中学入試では、算数・国語・理科・社会の4教科が主流ですが、最近では2教科や算数1科入試、英語入試、適性検査型入試、思考力入試など、入試が多様化しています。総合的な力を見る国立・公立に対し、得意な分野だけでチャレンジできるのも私立入試の特徴です。
入試対策としてやるべき学習範囲は、私立の方が多いですが、私立の倍率は2~3倍、国立は私立よりも高め、都立中高一貫校はさらに高く約6倍です。都立中高一貫校は狭き門となっており、私立と併願をする受験生もいます。