【中学受験】6年生夏期講習で学力アップ!効果を出す重要ポイント5つ

夏期講習がいよいよスタート。テキストの分厚さ、カリキュラムの密度に驚かれる保護者も多いでしょう。しかし、受験生は夏期講習を乗り越えるとぐんと成長します。お子さまの頑張りを学力の向上にしっかりと結びつけるためには、どういったことを意識して夏期講習に臨むと良いのでしょうか。プロ家庭教師の西村則康先生にうかがいました。

1. 夏期講習の前に、対策すべき単元の絞り込みを行う

【対策のポイント】

これまでの塾のテキストやテストを振り返り、苦手分野を洗い出して対策すべき単元をなるべく絞り込みます。ピックアップをしたら、夏期講習で使うテキストの単元にチェックを入れておきます。

【具体例】

算数の平面図形が苦手だった場合、平面図形の角度・長さ・面積の何が苦手なのかを見ます。たとえば面積が苦手な場合は、相似図形の面積・辺々比と面積・円を含む面積など、どういった求め方が苦手なのかと具体的に絞り込んでいきます。

2. 授業での演習は「絶対に正解するぞ」という気持ちで取り組む

【対策のポイント】

塾で行う問題演習は、間違えた問題を正解できるように対策するだけでなく、入試本番での“得点力”となる「アウトプットの力」を身につけるためにも行います。

【具体例】

授業中の演習で、塾の先生が「次の3問を10分で!」と言ったときに、わからない問題があったとしても、「手をつけた問題は絶対に正解するぞ!」と諦めずに問題に挑みます。その気持ちが合格を勝ち取る力となります。

3. 授業の復習を短時間ですませる

【対策のポイント】

解けなかった問題の復習にはなるべく時間をかけません。先生の解説を聞いて「なるほど!」と思ったポイントをメモしておきます。板書もすべて写す必要はありません。家では書いたメモを読んで思い出すだけでも十分な復習になります。

【具体例】

親子で学習

授業で解いた問題は、できた問題に「〇」、大体分かったけど自信がない問題に「△」、全くわからなかった問題に「×」をつけておきます。復習するのは「△」のみにします。
この時期の「×」の問題は、お子さんにとっての“捨て問”である可能性が高いので、やらなくても大きな支障はありません。

4. 科目の優先順位をつける

【対策のポイント】

中学受験は算数の出来不出来が大きく合否に影響するので、多くの受験生は、算数に半分ぐらいの時間を割き、残りの時間で国語・理科・社会を配分するやり方で良いでしょう。特に理科・社会は時間がかけられないので、履修単元の理解があやふやな場合は、基礎事項に絞って対策をします。

【具体例】

一問一答型で知識を強化する場合、答えを問題にして、お子さんに問いを出すというやり方が有効です。たとえば、「双子葉植物の中で有胚乳種子を2つ答えなさい」という問いの答えは「カキとオシロイバナ」になります。それを「カキとオシロイバナはどんな植物でしょう」と逆に聞いてあげる方法です。

5. 夏期講習がない日・時間帯の学習計画を立てる

【対策のポイント】

時間があるからと3時間、4時間もの長時間を同じペースで学習することは避けます。問題に向き合って十分に考え抜く時間、暗記をやる時間と学習内容にメリハリをつけることが夏休みの家庭学習を継続させるコツです。

【具体例】

講習がない日は、半日は勉強の時間、半日は遊びの時間とかならずリフレッシュする時間を取りましょう。たとえば、その半日の間は、1時間だけは必死で考える時間にして、残りの勉強時間は、暗記や計算などの処理が中心の学習にするといった具合に、科目の優先順位に基づいてメリハリのある学習計画を立てます。

保護者はお子さまの体調管理に気を配って!

夏は体力を消耗しやすいので、睡眠は普段より30分多めにとるとよいでしょう。宿題が終わらないからと、夜遅くまでやらずに、残った課題は翌日朝にやるなど、寝る時間、起きる時間のリズムを崩さないことが大切です。講習になると運動不足になりがちなので軽い運動を取り入れるように工夫してみましょう。早朝散歩や縄跳びなどがおすすめです。

西村 則康(にしむら のりやす)先生

西村 則康(にしむら のりやす)先生

プロ家庭教師・名門指導会代表、中学受験情報局主任相談員、塾ソムリエ。 40年以上、中学受験指導を一筋に活動し、開成、麻布、桜蔭中学などの最難関中学に2500人以上を導く。受験学習を、暗記や単なる作業だけのものにせず、「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で切り込んでいく授業は親からの信頼も厚い。『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』(アスコム)、『中学受験は親が9割 最新版』(青春出版社)、『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。

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