中学受験【前編】6年生秋からの模試の受け方・結果の捉え方

中学入試まで残り半年を切りました。9月からは合否判定模試が毎月実施され、その結果をもとに受験校を決めていく段階になります。よって模試を“正しく活用”することが非常に重要です。そこで、プロ家庭教師の西村則康先生にどの模試を受けるべきか、また、受ける前の確認ポイントについてお話をうかがいました。

どの模試を受けるべき?

志望校のレベルによって模試を使い分ける

どの模試を受けるべき?

大手塾にお通いであれば、塾が主催する模試を受けることが基本です。その上で、志望校のレベルによって受ける模試を選択していくことも、これからの時期では重要です。
なぜならば、志望する学校の受験者が多い模試の方が、より正確な結果が出るからです。

たとえば、志望校が御三家であればサピックス主催の模試を選びましょう。
サピックスの模試は知識系のA問題と試行錯誤系のB問題に分かれています。志望校が女子学院であれば、入試傾向に合わせてA問題での合否判定が必要となります。志望校が麻布や武蔵であれば、B問題で判定することになります。入試により近い内容だからこそ模試結果を正確に見ることができるのです。

難関から中堅校であれば四谷大塚・日能研主催の模試、または、志望校によって首都圏模試を選択します。

偏差値表を見て受ける模試を判断

どの模試を受けるかを判断するには、模試主催者が出している偏差値表を見ましょう。サピックスの偏差値表と四谷大塚の偏差値表を見比べると、同じ学校でも偏差値が異なっていることがわかります。

たとえば、御三家で比較すると四谷大塚よりサピックスの方が低い数値です。サピックスの模試の方が御三家を志望する受験者の割合が多いからです。

したがって、志望する学校の偏差値が40~65の間に入っている模試を受けることで、より正確に集団での位置を把握できます。

2つの模試を受けるメリットも

サピックスにお通いで志望校が御三家以外であれば、サピックスの模試と四谷大塚もしくは日能研の模試の両方を受けましょう。

たとえば、サピックスと四谷大塚の模試は同日開催なので、午前中にサピックスの「合格力判定サピックスオープン」を受けて、午後から四谷大塚の「合不合判定テスト」を受けるということもできます。

1日に2回の試験を受けることで、午後入試を受けるかどうかの判断材料にもなります。午後の模試は集中力が切れてしまうために結果が伴わないのであれば、午後入試は控えようという判断もできます。

また、サピックスの模試で厳しい結果となり、自信を失ってしまった受験生の場合には、別の模試で良い結果を得ることで自信を回復する手段ともなります。また、四谷大塚の合不合判定テストと首都圏模試の判定テストの併用も同じ効果があります。