中学受験【後編】6年生秋からの模試の受け方、結果の捉え方

中学受験を目指す6年生が、秋からの模試をどのように受けたらよいかをお伝えした【前編】。【後編】では、模試結果の確認ポイントと捉え方、受験校選定の方針について、引き続きプロ家庭教師の西村則康先生にうかがいました。

模試の結果はどう見たらいい?

模試の答案で正解・不正解の理由を確認

模試の答案で正解・不正解の理由を確認

答案を見ながら、回答がなぜ〇だったのか、なぜ×だったのかを確認していきます。

たとえば算数では、間違った問題について、問題用紙に残った式を確認しましょう。もしお子さんの筆跡がいつもより乱れていたら、
「雑な字で式を書いたから間違っちゃったのかな? この時はどんな気持ちだったの?」
とお子さんに聞いてみます。

お子さんが「急いて解かなきゃと思ったから雑になっちゃった」と答えたら、
「そうだよね、早くやらないといけないと思うよね。でも、正解できそうだと思った時は落ち着くほうがいいよね」
といった振り返りを行いましょう。

お子さんの「得点力」を確認

点数はその日のコンディションによっても変わります。よって、模試ではコンディションが良ければ取れたはずの点数と、実際の点数の幅を考えて、あと「何点伸ばすことができるのか」という視点で見ることがとても重要です。

よい点数が取れたのは、気持ちが落ち着いていたからなのか、苦手分野があまり出なかったからなのか。反対に、点数が取れなかったのは緊張したからか、はたまた前日に親子げんかをしたからなのか、ミスが多かったのからなのか。

マインドの部分なのか、問題によるものなのかを分析し、志望校合格に向けての「得点力」に繋げていくことが大事です。

模試後の復習は塾の先生に相談

模試後の復習は塾の先生に相談

模試の復習については、志望校の対策として妥当なのか妥当ではないのかを判断する必要があります。

6年生の9月から12月までの模試にて、中学受験のほとんどの単元が網羅され難易もさまざまです。
したがって、模試によっては志望校で出題されないような問題も出るため、100点を取るまですべての問題を復習するのは、大変効率の悪いやり方です。

どの問題を復習するのか、その判断は親御さんには難しいので、塾の先生や個別指導、家庭教師の先生に確認しましょう。

合格可能性のパーセンテージに一喜一憂しない

模試というのは、合格の可能性20%以下の数値も80%以上の数値も出ません。
合格の可能性が20~80%の幅というのは、偏差値でいうとほぼ「10ポイントの幅」です。点数でいうと、4教科合計400点満点の場合ほぼ「60点の幅」です。
ですから、1教科につき15点上げていけば、合格の可能性は80%に近くなります。

つまり、合格の可能性が20%を少しでも超えていればチャンスはありますし、反対に、合格可能性70%でも気の緩みがでれば安心できません。