2022年東大推薦合格者を輩出した首都圏の高等学校はどこ?

インターエデュ恒例の「東大・京大・難関大学合格者ランキング速報」から、2022年東大推薦現役合格者を輩出した首都圏にある国公立・私立高等学校をピックアップしました。
また、初の東大合格者を輩出した中村中学校・高等学校に、合格した生徒や学校の取り組みについてお話をうかがいました。

国立・公立の4校が2名の合格者を輩出

2022年東大推薦現役合格者を輩出した首都圏国公立高等学校8校

2022年東大推薦現役合格者を輩出した首都圏国公立高等学校8校

国公立高等学校での注目校は、日比谷高等学校です。2016年度から毎年推薦合格者を輩出しています。推薦を含めた一般試験での東大現役合格者数は、2020年25名、2021年48名、2022年53名と躍進中です。

渋谷教育学園渋谷は、最多の3名、聖光学院・海城・市川が2名

2022年東大推薦現役合格者を輩出した首都圏私立高等学校18校

2022年東大推薦現役合格者を輩出した首都圏私立高等学校18校

私立高等学校での注目校は、渋谷教育学園渋谷高等学校です。日比谷高等学校同様に2016年度から毎年推薦合格者を輩出しています。また東大現役合格者数においても、2020年27名、2021年28名、2022年32名と着実に伸ばしています。

中村中学校・高等学校に聞いた!「東大推薦合格者はどんな生徒?」 

今回の東大推薦合格で、首都圏の私立中高一貫校の間で注目を集めたのは、初の東大合格者を輩出した中村中学校・高等学校です。教頭の江藤健先生に、合格した生徒はどういったテーマの論文で試験に臨んだのか、また、どんな生徒だったかをうかがいました。

エデュ:推薦合格の決め手になったことは何だと思われますか?

江藤先生:東京大学のアドミッションポリシー、「期待する学生像」の中にある「学びに対する旺盛な興味や関心」や「自らの問題意識を掘り下げて追究するための深い洞察力を真剣に獲得しようとする」ことを上手く表現できたのではないかと思っています。

合格した生徒は、自身の経験を活かした「コロナ禍での留学における語学力や学びの質」に関することを論文のテーマとして選びました。実は、社会問題にも強い関心があり、ヤングケアラーや児童虐待といったテーマも候補として挙げていました。しかし、これらの実態を留学先のアメリカと比較するとなると、かなり高度な研究と考察が必要となるため難しいと本人が判断しました。

そこで、コロナ禍に留学をした19名のクラスメイトへのヒアリングをもとに、文科省や企業が出しているデータや資料を用いて分析を行っていきました。キャリアサポーターの教員に相談したり、添削してもらったりしながら、論文に仕立てていきました。
論文の中では、自分の留学経験にはほぼ触れていません。客観的なデータを踏まえて理論を展開したことで、学びにおける意欲関心が強いと評価されたように思います。

エデュ:合格した生徒は、先生から見てどんな人物ですか?

江藤先生:モチベーションが高く、何事にも手を抜かず取り組む生徒です。かといって行事などでいつもリーダーシップを取るタイプではありませんが、誰とでも分け隔てなく接することができるので、クラスメイトからの信頼は厚いです。また、背伸びをせず等身大の自分をいつも出していることも彼女の魅力です。

論文に関しては、もともと書くのが上手だったわけではなく、高校入学当初は粗削りな印象でした。中村高校では1年間に大小含めて20~30本、レポートや文章を作成したり、発表したりする機会がたくさんあります。その積み重ねで書く力、表現する力も身につけることができました。

生徒は、高校1年生冬から2年生にかけての1年間、アメリカのポートランドに留学しています。しかし、コロナ禍で授業がすべてオンラインに。現地で直接の交流が減り、本来の留学の目的が達成できない中でも、腐らずに今自分にできることは何かを考え、共通テスト用の勉強を独学で始めました。すると、帰国後に受けた模試で手ごたえのある点を取り、東大を本気で狙える自信につながったようです。
どんな環境でも、妥協せずに学ぶことができる生徒だと実感しました。

エデュ:東大合格者を輩出したことで、後に続きたいと考える生徒もいると思われます。今後どのようなサポートを行っていく予定でしょうか。

江藤先生:今回合格した生徒は、何をやらなければならないのか、またそれをやるためにはどれくらいの労力が必要なのかを心得ていました。学校内でプロジェクトチームを立ち上げましたが、学校側も前のめりにならず、適材適所で指導ができたように感じています。また、生徒自身も適切なサポートを受けながら、バランスを取って進めることができていました。

ですから、生徒の目標を叶えるべく、もちろん全力で応援サポートをしますが、「魚を釣ってあげるのではなく、釣り方を考えさせる」ようなサポートを行って伸ばしていきたいと考えています。

■参照元
速報!2022年 東大・京大・難関大学合格者ランキング