先輩ママに聞いた!医師ではない“一般家庭”の医学部進学ストーリー

医学部に進学するのは医者家系のお子さまが多いですが、一般家庭から進学をするケースももちろんあります。医者に囲まれた生活ではありませんが、日常で医学や医療に接する機会や学ぶ環境が医学部進学への後押しになるようです。今回は、一般家庭からお子さまを医学部に進学させた保護者に、小学生のころから大学受験に至るまでの道のりを語っていただきました。

医者になる夢と中学受験という選択

医者になる夢と中学受験という選択

インターエデュ(以下エデュ):医学部を目指すために中学受験を選択されたのでしょうか?

Aさん:私も夫も公立出身で、小学校に上がるまでは中学受験を全く意識していませんでした。娘が小学校の低学年のとき、担任の先生が中学受験に向いていると勧めてくださって、試しに中学受験塾の入塾テストを受けたんです。すると満点を取って。塾に通い始めてママ友から中学受験の話を聞くうちに、私立中高一貫校の魅力を知り受験しようということになりました。

エデュ:では、お子さまが医学に興味を持ったきっかけがあったのでしょうか?

Aさん:娘が小学5年生のときに、2、3週間大学病院に入院することがありました。その時の担当ドクターがとても素敵な若い男性と女性でした。子どもが中学受験塾のテキストを解いていると、男性ドクターが「中学受験勉強大変だよね。僕も経験したからわかる。でもそのおかげで医者になれたんだ。」と娘の気持ちに寄り添ってくださいました。女性ドクターは、少し上のお姉さんという感じで対等に話をしてくれていたようです。退院後の通院の度に先生に会いに行くのが楽しみになって、医者に憧れを抱くようになりました。
また、私が医療ドラマを好きで一緒に見ているうちに、娘は医療への興味を強くしていったこともあります。

エデュ:中学受験では、医学部進学を意識した学校選びを行いましたか?

Aさん:はい。医者になりたいという気持ちが娘にあったので、医学部進学に実績のある学校を受験校、併願校に選びました。家族ぐるみでお付き合いしていたお子さまも医学部志望で、医学部進学に実績がある中高一貫校に通っていました。学校の様子を聞いたり、中学受験塾で学校情報を得たりと志望校を絞り込んでいきました。

研究職か臨床医か…医学部受験を決めたきっかけ

エデュ:私立中高一貫校に進学後、お子さまの医学への興味はどうなりましたか?

Aさん:娘は小学校の頃から実験が大好きで、化学や生物の体験学習会によく行っていました。進学先の学校も実験が多く、特に授業の一環として行われていた幹細胞の実験にとても興味を持ったようです。実習では、実際に大学病院での手術に立ち会い、医師たちが行うカンファレンスにも参加し、その後の検証の様子も見学しました。研究や実習を通して、学術的なこともかなり学んだようです。

エデュ:そういった経験から医者になる気持ちを強くしていったのでしょうか?

Aさん:実は、学校でさまざまな経験や情報を得る中で、本当にやりたいのは研究ではないかと娘は思い始めたんです。
医者になりたいといって入学してきた娘の同級生も、チーム医療の観点から、予防医学、薬学、検査技師の進路を考えたり、バイオ研究に興味を持ち始めたりしたようです。
医学部か理系学部かの選択にあたっての大きな分岐点は、「医師免許を取るか取らないか」「臨床をしたいかしたくないか」です。
娘はあらゆる人の病気を治してあげたいという想いで、医者になりたいと考えていましたが、病気になる前の予防医学こそ重要ではと思い始め、かなり迷っていました。

エデュ:悩まれた結果、医学部進学を決意された娘さんですが、何か転機があったのでしょうか。

Aさん:女性ドクターから進路について話を聞く機会があったんです。研究医も臨床医もどちらもやりたいから医学部に進学したという話を聞いて、娘は「両方できるんだ!」とかなり心がときめいたようです。やりたいことを実現している、やれている人がいることがわかって、「私もやりたいことをやろう!」と思ったそうです。医学部を目指す強い動機となりました。
ほかにも、担任の先生が大学での学びや将来のキャリアについてさまざまな情報を教えてくださり、医師免許を取ろうと医学部進学への想いを強くしていきました。