東京大学には女子学生に「3割の壁」が存在すると言われます。2023年度一般選抜(前期日程)は2月25日~27日の日程で実施されていますが、2022年度の女子合格者は20.8%で、これまで一度も3割を超えたことがありません。大学は女子学生の増加を目指し、家賃補助や中高生向けの広報活動に力を入れてきました。今年こそ“壁”を突破できるでしょうか。
入試合格者、学部生とも“女子2割”
東京大学 2022年度合格者数の女子比率(4月入学者分)
東京大学の「大学案内2023」によれば、2022年度入試では一般選抜(前期)、学校推薦型選抜、特別選考の合格者3,140名のうち、女子は653名。全合格者に占める割合は20.8%で、2021年度より2年連続で2割を上回りました。しかし、一般選抜だけを見てみると女子の合格者は2021年度よりわずかに減少しており、19.8%と2割を切っています。
ただし、女子比率は科類によって大きく異なります。最も比率が高いのは、教育学部・教養学部への進学者が多い「文科三類」の39.9%。最も低いのは工学部・理学部への進学者が多い「理科一類」の8.4%で、30%以上の差があります。東京大学に限った傾向ではないものの、「文高理低」が目立ちます。
東京大学 学部生の女性比率(2022年度)
“女子2割”は学部生も同じです。2022年の1~4年の学部生13,962名のうち女子は2,802名で、全体に占める割合は20.1%。2割を超えたのは「東京大学の概要2022」にデータが掲載されている2013年以来初めてです。2013年は女子学生が2,584名だったので、10年間で218名増えたことになります。
しかし、女子比率は2013年の18.4%から1.7%しか上昇していません。ようやく2割に達しましたが、上昇率から考えると「3割の壁」を越えるにはしばらく時間を要するかもしれません。