世界のトップ大学は女子学生が半数!東大とは大きな差
大学は家賃補助や母校訪問で女子中高生にアピール
東京大学の女子学生比率は、国際的に見ても低いことが分かります。英国の高等教育専門誌「Times Higher Education」の「世界大学ランキング 2023」によると、世界のトップ大学である英国のオックスフォード大学、ケンブリッジ大学、米国のハーバード大学では、女子学生比率が半数近くを占めます。一方、東大はようやく2割を超えたところで、多様な学生が集う大学とは言い難い面があります。東大は基本方針「UTokyo Compass」の中で「安心して活動でき世界の誰もが来たくなるキャンパス」を目指していますが、実現のためにも女子学生比率の向上は最重要課題と言えそうです。
そこで、東大は2006年から毎年「女子高校生のための東京大学説明会」を開催。2017年には女子学生向けの住まい支援を始めました。住まい支援では、遠方から通学する女子学生のためにキャンパスに近い民間の賃貸物件や寮を用意し、家賃を月額最大3万円補助しています。そのほか、女子学生の学生生活を特集したパンフレット「Perspectives」の発行、女子学生が母校で説明会を開催する「母校訪問」、女子中高生向け理系進路選択支援活動にも取り組んでいます。
東大女子はなぜ増えない?高学歴だと結婚できない?
学生サークルは等身大の東大生を発信し進学を応援
男女比率に問題意識を持っているのは、大学だけではありません。2016年に発足した東京大学の学生サークル「polaris―東大を目指す女子の道しるべー」は、女子高校生に東大を身近に感じてもらうことで進学者の増加につなげようと活動しています。サークルには男女合わせて45名が所属。全国の女子高生が参加できる対面・オンラインでのイベント開催、WEBサイトやSNSを活用した情報発信によって、受験や大学生活に関する生の声を届けています。
東大女子が増えない理由について、polarisのメンバーは「入試の合格率に男女差がないことから、学力以外の問題が大きいのではないか」と指摘します。イベントの際、参加した高校生から「実家から通えないため受験を許してもらえない」「女子だから浪人は無理」「高学歴だと結婚できない」という声を聞くことがあるからです。さらには「東京大学という国内でも有数の教育機関で、刺激を受けながら成長している学生の性別が偏ってしまうことは、日本社会で政治に関わる職業や管理職など社会的に大きな影響力を持つ女性が少なくなり、結果的に社会において女性の声が反映されにくい状況を作り出すことにつながるのではないか」と問題提起しています。
東大の男女比率の差は、多様な学びの環境が損なわれるだけではなく、日本の社会構造にも影響を与えると考えられます。単なる一つの大学の問題にとどまらず、社会全体の問題として見ていく必要があるかもしれません。
大学の取り組み、学生たちの思いは受験生に届いているのでしょうか。今年こそ「3割の壁」に近づくことができるのでしょうか。3月10日の一般選抜合格者発表は、今年も関心を集めそうです。
2023年速報ランキング更新中!
東大合格者発表日となる2023年3月10日(金)より「東大・京大・難関大学合格者ランキング」をリアルタイム更新中です!どうぞご覧ください。
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■参照元
東京大学 公式サイト
THE(Times Higher Education)世界大学ランキング 2023
polaris―東大を目指す女子の道しるべー