難関男子校ママたちに聞く! 後悔しない受験直前期の過ごし方「メンタル・前編」(2ページ目)

ゲーム、YouTubeが原因で大ゲンカ。ママは受験票を破ってブチギレ!

受験票を破りたくなる気持ち…わかります。

エデュ:直前期に、お子さまとのやり取りで難しかったことや、今思うとこうすればよかったということはありますか?

駒場東邦中ママCさん:1月中旬に、いちばん大きな親子ゲンカをしました。息子が過去問を解きながら、横目でチラチラとYouTubeを見ていたんです。思わずイラッとして、「いま、何やってたの!」と、私は噴火状態に。ふつうの勉強ならまだしも、真剣に過去問を解いている途中に動画を見るなんて、どうしても許せなくて。「そんな態度で取り組むのは、受ける学校にも失礼だし、ご縁なんてあるわけない。受験なんてやめなさい!」と怒りがおさまらず、手元にあった受験票を全部破り捨てたんです。息子も、私がそこまですると思っていなかったのか、呆然としていました。

エデュ:それは衝撃的なできごとですね。

駒場東邦中ママCさん:私もそのあと冷静になって、破った受験票をもう1回印刷し、このことを塾に相談しました。すると先生は「1月受験で栄東に合格したことと、12月末のプレ試験の結果がわりと良かったことで、ちょっと気持ちが緩んだのでしょう」と。私がかなり怒ってしまったので先生がフォローしてくださることに。「いま緩んでしまうと、あと2、3週間の間に成績が落ちてしまうよ。第一志望を目指して3年間がんばってきたのに、過去の自分に対して申し訳ないよ」という話をしてくださって、本人にもスイッチが入り、気持ちを切り替え、ラストスパートをかけることができました。

開成中ママAさん:あー、その状況、よくわかります。うちもゲームと勉強との兼ね合いに、最後まで苦労しました。でも、完全に禁止してしまうと、メンタル面を保てず、逆にイライラして勉強に身が入らないので、さじ加減が難しかったですね。親が言っても聞かないし、それで失敗するなら失敗すればいいやと思って放っておきました。

すると、あるときテストで計算間違いが増えて、「テスト中にゲームのことをぐるぐる考えてしまったのが原因」というのです。自分自身でじっくり考え、1月になって「今日から1か月間、ゲームはやめる。その代わりYouTubeを見る」と宣言しました。その後は、気分転換にときどきゲームのYouTubeを見ていましたが、ゲーム自体は触らなくなりましたね。

エデュ:お子さまが自分で気づいた、というところが重要ですね。

開成中ママAさん:失敗をしたからこそ、そこから学び、自分で気づくことができたんだと思います。そばで見ている親としては、本当にイライラするし、怒鳴り散らしたいくらいでした。でも塾の先生から「12月以降は、1分1秒でも惜しい。親子でけんかをしている時間があれば、一問でも多く解いてほしい」と言われ、私自身も修行だと思って口を出さず、ぐっとガマン。でも、よく考えたら、子どもにとっても「ゲームをガマンする」というのは修行なんですよね。受験直前期のお互いの修行が、結果としてメンタルを保つことにつながったと実感しています。

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