リポーターは、都内私立共学中高一貫校の高校3年になる娘をもつ、エデュママライター・KOKORO。すぐに実践できるリアルなエピソード【後編】をお届けします!
★座談会の参加者★
・開成中ママAさん
・筑波大学附属駒場中ママBさん
・駒場東邦中ママCさん
「一人で外出」「プチ家出」で心を整え、イライラもすっきり解消!
エデュ:直前期ならではの親子バトルや、失敗からの大きな学びなど、参考になるエピソードばかりですね。では、親のほうのイライラが溜まりにたまったとき、おすすめのクールダウン方法はありますか?
開成中ママAさん:どうしようもなくイライラしたときは、一人で近所の神社にでかけていました。その神社に、触ると願いが叶うという木があり、それを触って心を落ち着けていたんです。子どもとずっと顔を突き合わせていると、お互いに煮詰まってきますよね。ちょっとでもいいから、一人の時間をもって、ゆったり深呼吸するといいですよ。
駒場東邦中ママCさん:うんうん、外に出るのは気分転換にもなっていいですよね。私も、ちょっと外に出て、自分の友だちと長電話をしたりして、ストレス発散していました。ほかには、夫がいろいろな神社にでかけて合格祈願のお守り集めをしていたので、それに同行することもありましたね。
筑波大学附属駒場中ママBさん:バツがたくさんついた塾のテストや模試の結果……そんな現状にイライラしたときは、息子が生まれてから幼稚園くらいの頃の写真を、ひたすら整理していました。すごくかわいくて、メンタル的に落ち着きますよ(笑)。それでもイライラがおさまらなかったら……とっておきの方法があります。「プチ家出」です。
エデュ:プチ家出⁈ ママ一人でどこかに泊まったのですか?
筑波大学附属駒場中ママBさん:はい。私一人で(笑)。年始の正月特訓で、4日連続、息子がクラスでビリの成績になっていたことを聞き、「ええっ、どうしよう…」と頭が混乱しました。それでも、家族の前では取り乱すようすを見せず、なんとか女優のつもりで演じていたのですが、不安がどんどんふくらみ、眠れなくなってしまって、とうとう家出を決行したんです。まず、ホテルを一泊予約し、息子に「あなたの伴走はもうできない。今日でやめる」と告げて、家を出ました。その後、LINEで友人に「いま、あなたが手を放したら〇〇君はどうなるの?」と諭され、一晩ホテルで気持ちを鎮めて、翌日帰宅しました。息子は、まさか親がいなくなるとは思っていなかったようで、けっこう響いたみたいです。
エデュ:一晩、息子さんや家族と離れ、一人でゆっくり考えてみると、ママにとってもいろいろな気づきがありそうですね。
筑波大学附属駒場中ママBさん:自分自身の心の中を整える、いいきっかけになりました。これまでずっと、学校にも自分の親にも親戚にも塾にも合格を期待され、「何が何でも志望校に合格しなければ」と、勝手にプレッシャーやストレスを感じていたんです。自分の見栄もあったと思います。でも、落ち着いて考えると、どこの学校に入学しても、わが子に変わりはないし、これだけ頑張って勉強してきたのは、まぎれもない事実です。だから、志望校にご縁がなくても、親子は何も変わらない。だれも責める必要はない。やりきったと心から思えばいい、とすっきりした気持ちになりました。