男子はより厳しい入試に? 平均倍率約3倍
23区内主な男子校の2月1日午前受験者数・倍率
上図の男子10校の平均倍率は約3倍です。どの学校も昨今人気を集めている学校です。特に、日本大学豊山中学校と獨協中学校は、どの入試においても倍率が高く注目されています。
(※世田谷学園中学校の受験者数・合格者数が、本科コースと理数コースの合算値となっており、不適切な実倍率の表記となっておりました。訂正してお詫び申し上げます。)
23区内主な女子校の2月1日午前受験者数・倍率
上図の女子12校の平均倍率は2.61倍と、男子に比べると平均倍率は低いですが、香蘭女学校中等科の倍率は3.10、昭和女子大学附属昭和中学校の倍率は3.52、山脇学園中学校の倍率は4.20と高めです。
23区内主な共学校の2月1日午前受験者数・倍率
共学校では、学校によって、男子と女子の倍率が異なります。たとえば、広尾学園中学校は男子の倍率が2.39、女子の倍率は5.29と女子が高く、芝浦工業大学附属中学校は、男子の倍率が5.18、女子の倍率は3.19と男子の方が高くなっています。(※注1)
上図の9校においては、男子の平均倍率が2.95、女子の平均倍率が2.82と男子が若干上回っています。
このように、2月1日午前入試、23区の上位校に絞って入試結果を見てみると、男子の2月1日午前入試は接戦となったことがわかります。また、女子校は2月1日でも倍率が3倍以上の高い学校はあるものの、全体的には倍率が比較的落ち着いているなどの傾向が見えてきます。
(※注1…実倍率は男女別の受験者数に対する合格者数で算出しています。男女別の合格者数を設定していない学校に関しては、実倍率は実際の難度と関係はありません。)
2023年の受験生へ。2月2日までに必ず合格を得る入試の組み方を!
2月1日午前を第一志望のチャレンジ校として受ける場合に、2月1日午後、2月2日に安全校を受験する日程を組むご家庭が多いと思います。しかし、ここ数年の中学受験は激戦となり、2月1日午後入試の倍率も高く、2日2日までに合格を得るためにはかなり慎重に日程を組む必要があります。
中学受験塾「スタジオキャンパス」代表の矢野耕平先生に、2022年の中学入試の結果を踏まえて、2023年の中学受験に向けたお話をうかがいました。
安全校だと思って受けたけれど、合格がもらえずに“安全”ではなかったという話も聞きます。2月4日、5日という終盤でweb出願者数が前年比で増えた学校があったことからも、前半で合格がもらえなかった受験生は少なくなかったことがうかがえます。毎年お伝えしていることですが、早期に合格をもらうことがとても重要です。
2月3日、4日、5日と続く中学入試では、2月1日、2日に合格を得ていないと、このまま上手くいかないのではないかと親子ともに不安な気持ちで受験に向かうことになり、後半の受験が本当に辛くなるからです。まだ体の小さな小学生がそういうメンタルで難局を乗り切るのは本当に難しいことです。
手前味噌ですが、わたしの塾の受験生の大半は2月2日までに合格校を確保できました。模擬試験の平均偏差値などを尺度にして、安全に安全を積み重ねて受験校の組み方を工夫すれば、ちゃんと合格がもらえるのが東京・神奈川の中学入試です。
2023年の受験も今年と同様に受験者数が多い入試になると予想されています。早い段階で「安全校」を見つけ、2月2日までに安全校の入試を組み込むことが、ますます重要になります。 新6年生の受験家庭は、入試直前ではなく早い段階で、さまざまな学校を見てもらいたいと思います。「偏差値が高い、低い」といった一面的な先入観にとらわれず、たくさんの学校を調べ、見てください。きっと魅力ある学校に出会えるはずです。
東京都・神奈川県の多くの受験生は、埼玉県・千葉県の1月入試を含め、5~7校に出願をします。その中から合格した学校に進学するのですから、可能な限りたくさんの学校を見て、そこから絞り込んでいくことをおすすめします。
春から夏にかけては、合同相談会や学校説明会も多く催されます。秋からは、なかなか時間が取れないということもありますので、学校イベントを通して早めに情報収集を行いましょう。