【中学受験2023】先取り!時事問題(2)ロシアとウクライナの問題を小学生目線で解説-前編

2022年に起きた大きなニュースの1つとしてウクライナ情勢が挙げられるのではないでしょうか。ロシアがウクライナの軍事侵攻に踏み切った背景を知るためには、両国の歴史を学ぶ必要があります。中学受験の社会科専門塾 スタディアップ代表の野村恵祐さんにウクライナ情勢に関連する予想時事問題を出題していただき、小学生目線で関連知識について解説していただきました。

ロシアとウクライナに関する問題に挑戦

問題

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いているが、そもそもかつてロシアとウクライナは、1991年まで( a )という15の国から構成された国々であった。
( a )に当てはまる言葉を答えなさい。

※解答はページの最後でご紹介しています。

解説と関連キーワード

2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻を開始してから、新聞やニュースで、毎日のように取り上げられています。情報も多く、複雑な問題のため受験生ひとりで整理して理解するのは難しいと思います。そこで今回は、ロシアとウクライナの歴史から今に至るまでを分かりやすく、要点もまとめて解説していきます。

ロシアとウクライナは、もともと同じ国の一員!

まずは、ロシアとウクライナの基本情報ですが、ロシアは海を挟んで日本と隣り合う国で、首都はモスクワで、ウクライナはロシアの西隣にあり、首都はキーウです。このあたりはニュースなどでも頻繁に取り上げられているので、聞き覚えがある人も多いと思います。そしてその両国は昔から関係が深く、共通の文化も多くなっています。ウクライナではウクライナ語が公用語ですが、ロシア語を話せる人も多くいます。

次に歴史ですが、9世紀ごろ、今のウクライナの首都キーウを中心に誕生した国が、ロシアやウクライナの起源とされています。そのため、多くのロシア人にとっても、キーウやウクライナは自国の歴史のスタートと考えている面もあるのです。そして、実は社会主義国家であったソ連が1991年に崩壊する前まで、ロシアウクライナソ連を構成する国の一つだったのです。

そもそもソ連ってどんな国?

そもそも、「ロシアもウクライナもソ連を構成する国の一つだった」というこの部分が、まさに受験生のつまずきポイントですので、ここをもっと掘り下げていきます。もともとロシアという国は、1917年に起きたロシア革命がきっかけで、1922年にソ連となりました。

ソ連の正式国名は「ソビエト社会主義共和国連邦」といい、最終的には15の共和国が集まった連邦国家でした。首都はモスクワ、人口は1991年時点で約2億9000万人、面積2,240万k㎡(日本の約60倍)という世界の陸地面積の6分の1を占めていた巨大国家でした。そんな巨大国家も1991年に崩壊し、69年の歴史に幕を閉じました。そしてそのソ連崩壊のタイミングで独立した国家が、下記の地図上の15の国になります。

ソ連崩壊で独立した15の国(※独立直後の地図/ロシアが中央にくる地図)

地図を見るとはっきり分かりますが、このソ連崩壊のタイミングでロシアとウクライナが国として別々になったのです。そしてこれがきっかけとなり、ロシアとウクライナの関係にさまざまな動きが出てきます。

この続きは、後編に続きます。

解答はこちら

ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)

「ロシアとウクライナの問題を小学生目線で解説」の後編は9月5日(月)に公開予定です。次回もお楽しみに。

野村 恵祐(のむら けいすけ)さん

野村 恵祐(のむら けいすけ)さん

群馬県生まれ、広島県育ち。愛光高校、慶應義塾大学商学部卒業。
中学受験 社会科専門塾「スタディアップ」代表。家庭学習で社会全分野の効率の良い授業がたった13時間でマスターできるCD教材「コンプリートマスター」や、社会の最重要キーワードをまとめた一問一答問題集「プラチナインプット」、最新の時事問題を収録した「時事問題ターゲット」などの教材開発を行い、通販を通じて年間に3,000名以上の受験生、及びその父兄と関わっている。

スタディアップ 公式サイト

主な著書に『中学受験は社会で合格が決まる』(講談社)や、『中学受験 社会 合格への家庭内戦略』(小学館)、『中学受験 第一志望に合格したいなら“社会”の後回しは危険です』(学研プラス)などがある。

また、「あなたが探す中学受験情報の答えがここにある!」をコンセプトに掲げたメディアである「中学受験アンサー」も運営しており、中学受験生の保護者のために情報提供も行っている。

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