そこで、声教チャンネルでおなじみの後藤さんに、2023年入試結果の要点をうかがいました。また、後藤さんからの2023年受験終了組へのメッセージと、2024年受験組へのアドバイスも必見です!
1月入試、コロナ前に戻り活況、注目校は栄東・渋幕
栄東、「前受け校」ではなく、東京・神奈川の受験生の「志望校」にも
インターエデュ(以下、エデュ):栄東中学・高等学校のA日程(1月10日・11日)の受験者合計は7,689名で、2022年の6,869名から820名増えました。コロナ前に完全に戻った印象です。
後藤さん:受験者数が増加した理由は、感染を避けるために、入試を回避する受験生が減っただけではありません。入学手続きをする受験生の割合が、コロナ前と比べて高く、東京都・神奈川県の受験生でも、「合格したら通う」と考えているご家庭が増えてきているのです。
エデュ:それはなぜでしょうか。
後藤さん:一つには、御三家クラスの上位層の受け皿である、「東大クラス」があること。もう一つは、学力を伸ばしてくれるフォローアップの体制がしっかりとしていて、受験生、保護者にとって安心感があることです。
エデュ:安心感は入試当日の体制からもうかがえます。大人数にもかかわらず、誘導が素晴らしくて感動したという話を、同校を受験した保護者から聞きました。
後藤さん:受験会場では、一人ひとりの席にアクリル板を設置しています。何千枚ものアクリル板を用意するのは並大抵のことではありません。学校側がどうしたら安心して受験できるかを真剣に考えて、受験生をケアしています。そうした一つひとつの細かな対応が、安心感にもつながっているのでしょう。
来年の入試では、東京都・神奈川県からの受験生の入学手続率を見越して、合格者を絞る可能性もあり、倍率が上がることも予想されます。
渋幕、海外大を視野に入れた上位層の志望校の候補に
エデュ:千葉県は中学入試の解禁日が、1月20日と埼玉県と比べて遅いために、体調不良となった場合の2月1日以降の入試への影響を考え、2021年、2022年と受験を控える動きがありました。今年は受験者数が多少戻ってきた印象です。特に、渋谷教育学園幕張中学校・高等学校は、2022年の受験者数1,797名に対し、2023年は1,898名と101名の増加です。
後藤さん:同校で注目した点は、1月22日の一次入試において、2022年の合格者数は651名だったのが、2023年は704名と53名増えたことです。御三家クラスの上位層が受験したことを見越して、多く合格者を出したものと予想しています。
同校は帰国生が多く、海外大を視野に入れた受験生にも人気です。海外志向という点で、御三家の上位層に選ばれる学校となってきたことが、ここ数年の変化と言えるでしょう。