2月1日本命に向けて1月校を受験する目的
2月1日の学校を本命とする受験生が1月校を受ける目的は2つあります。
①緊張感を知るため
1つ目は、試験本番の雰囲気を味わっておくことです。
とくに、過去に模試などの塾の大きな試験で失敗したことがあるお子さん、緊張感が高まりやすいお子さんは1月校を受けると良いでしょう。一度、本物の入学試験で緊張感を味わっておくことで、2月1日の試験で過度の緊張をせずにすみます。
②過去問演習の成果を2月校に生かすため
2つ目は、過去問演習の成果を生かすためです。過去問演習は問題レベルに慣れるためだけにやるのではありません。解く順番を考えたり、時間配分を練習する事も大切な目的です。1月校受験の際に、過去問演習を通じて練ってきた作戦通りに解き進めていく練習をして欲しいのです。
本物の入試独特の緊張感の中でも、「長文は10分で読み終わるんだったよな」「大問3までが25分だったよな」などを思い出すなど、冷静さを失わない練習です。ですから、1月校もできれば2、3年分解いて、問題レベルを体感し、時間配分の練習をしておきましょう。
1月校合格でも浮足立たず、不合格でも落ち込まないことが大事
1月校は合格であっても不合格であっても、結果の影響を受けないことが大切です。
過去に、1月校を2校受けて2校とも合格して気を緩めてしまうお子さんをたくさん見てきました。また2校とも不合格となったときに、保護者の方が大きく気を落とされて、その気持ちがお子さんに伝染してしまうこともありました。
合格でも気を緩めない声かけポイント
結果は冷静に受け止めて、合格をもらった場合は、「この合格は、これまでの努力の成果だね。だからこのまま頑張り抜こう!」
という言い方をしましょう。
1月から2月の入試の日まで伸びるライバルの受験生も多くいます。ここで気を緩めてしまわないように本番まで同じ気持ちで受験に向かうことが大事です。
不合格のショックを和らげる声かけポイント
不合格であった場合は、「これから頑張っていけば大丈夫だよ」と励ましの言葉を伝えましょう。お子さん自身、初めて経験する不合格です。大きくショックを受けてしまう子も少なくありません。
発破をかけようと、「これから頑張らないと本当に落ちちゃうよ‼」などと「もっと頑張らないとダメだよ!」という言い方をするとお子さんは余計に焦って、2月1日本番までその気持ちを引きずることになります。
「この結果は神様がこのままじゃまずいよねってサインをだしてくれたんだね。今から頑張れって神様がいってくれているんだよ。」という言い方も有効です。
1月の結果を受けて、お子さん自身が2月1日に向かって気持ちを高めていけるよう保護者が冷静になり、「あなたなら大丈夫」と励ましていきましょう。
西村 則康(にしむら のりやす)先生
プロ家庭教師・名門指導会代表、中学受験情報局主任相談員、塾ソムリエ。 40年以上、中学受験指導を一筋に活動し、開成、麻布、桜蔭中学などの最難関中学に2500人以上を導く。受験学習を、暗記や単なる作業だけのものにせず、「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で切り込んでいく授業は親からの信頼も厚い。『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』(アスコム)、『中学受験は親が9割 最新版』(青春出版社)、『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。