入試間際になって慌てない! 持ち物・服装の事前準備
入試当日は極度の緊張で、ご家族も受験生本人も想像していなかったようなトラブルが起こることもあります。あらゆることを想定して準備をしましょう。
持ち物
試験会場に時計がない場合や、あったとしても時計が席から見にくい場所にあるケースもあります。腕時計は必ず持参しましょう。デジタル時計はアラーム機能がついているため、試験中に鳴って焦ってしまうこともあります。アナログ時計がおすすめです。
筆記用具は、多めに用意しておくと安心です。試験中に鉛筆や消しゴムを落としてしまって、先生が拾いに来るまで待つ時間もストレスになります。拾わなくても大丈夫という備えが大切です。
学校指定の持ち物や、反対に持ってきてはいけないものを募集要項にて念入りにチェックしましょう。三角定規・分度器・コンパスといったような当日コンビニで手に入らないようなものもあります。また耳栓やひざ掛けがNGの学校もあります。
焦ると忘れ物もしやすくなります。受験票や上履きも実は忘れやすい持ち物です。早めに「防災鞄」のように「受験用鞄」を作っておきましょう。
服装
入試会場の座る位置によって寒暖差があります。寒いからと極暖のインナーを身に着けると暑いと感じても脱ぐのが大変です。薄目の服を重ね着して脱着しやすい服装にしましょう。受験生がストレスを感じない服装であることが大前提です。
また寒さ対策として、カイロは小さいもの、足に貼るタイプのものなどを複数持参します。大き目ですと暑すぎて気になってしまうこともあります。体温調節と防寒対策の両方ができる格好を考えましょう。
さらに、当日は何百人の子供の中からわが子を見つけなくてはなりません。目立つ格好がおすすめです。
入試当日本当にあったトラブルから学ぶ準備
お腹を壊すことはめったにないのに、試験中にお腹を下してしまった男の子がいました。緊張するとお腹にくる男の子は多いので、下痢止めや着替えも持参しましょう。
入試当日に初潮を迎えた女の子もいて、ショックのあまり全落ちしてしまったこともありました。生理に関することは、お子さまとよく話し合い準備をしましょう。
メンタル
全然問題が解けなくてパニックになり、泣いてしまった女の子がいました。鼻血が出るケースもあります。ティッシュもハンカチと一緒にポケットに入れるようにしましょう。
眼鏡をカバンにしまっておいた男の子。試験が始まってから先生が、問題訂正を黒板に書きましたが、文字が見えなくてパニックになってしまいました。入試当日の眼鏡の扱いをお子さまと一緒に確認しましょう。また、どんな時も落ち着いて対処することが大事です。困ったときは手を挙げるという練習も必要ですね。
休憩時間
受験会場に同じ塾の友だちがいるとつい会話をしたくもなります。そのときに「あの問題できた、できなかった」という会話をすると、プレッシャーになります。また、問題の解答をわざと大きな声で口にする受験生もいます。お子さまには友人と試験の内容に関する話はしないことと、休み時間はなるべくほかの受験生の話を聞かないことを確認しておきましょう。
受験校に昼休憩がある場合は、お子さまの気分や体調に合わせて口にしやすいものを用意しましょう。お腹いっぱい食べて午後からの試験で眠くなってしまった話や、緊張で食事が喉を通らなかったという話もよく聞きます。「これを食べたら元気がでる」と思えるような、お守り替わりの食べ物を持たせましょう。
保護者が不安や緊張に負けないように!
入試会場に行く道すがら、お母さまが不安のあまり、お子さまにずっと「お茶飲む?」「カイロ貼る?」などずっと話しかけていたところ、不安がうつってお子さまが泣き出してしまったということがありました。
保護者はお子さまの不安や緊張を取り除いてあげる立場なので、自分がどんなに不安であっても子どもには見せないようにしましょう。
不安になり過ぎないためには、「何があっても大丈夫」と思える心の安心材料をたくさん持つことです。持ち物もその一つです。当日に持っていくものを点検して、「これがあれば大丈夫」と思うことでも安心できます。
気持ちの面では、受験生も保護者も、どの学校も「受かったらうれしい」という気持ちで受験してほしいと思います。第一志望でなければダメという考えでなく、ご縁があるところに決まるんだと思って本番を迎えてください!
青山 麻美(あおやま あさみ)先生
アートオブエデュケーション関西指導部長。
プロ家庭教師・受験カウンセラーとして1000人以上の生徒を担当。受験を通して人生を生き抜く力をつけてもらうことを目標としている。プレジデントファミリーなどで取材多数。
あさみ先生の中学受験ブログを連載中。