【中学受験2023】教科別!直前期“プラス数点”を取りに行くポイント解説〜明光義塾 手塚成彬先生

直前期、あともうひと押し点数を上げたい! という場合、どのように学習すれば効果的なのでしょうか。明光義塾の手塚成彬先生に、直前期の学習で大切なことや教科別の学習法についてアドバイスをいただきました。

直前期の学習でやるべき「4ステップ」

直前期の学習でやるべき「4ステップ」

この時期の学習ポイントは一言で言うと「新しいことに手を出さない」です。

直前期はいろいろと心配になってしまい、あれもこれも手をつけがちです。しかしそれでは、より分からない問題に出くわしたとき、余計に不安になってしまいます。

それよりは、今持っている過去問テキストでどの問題でも解けるように、過去問の正答率を上げる、いわば“過去問の質”を上げることが肝心です。

私は塾生たちに「4つのステップをやること」と言っています。

4つのステップとは、

・解く
・丸付け
・正しい答えを書く
・やり直し

です。

とても当たり前のことかもしれませんが、解いただけ、丸付けをしただけという生徒がよく見られます。しかしそれでは学習したことがしっかり身につきません。

正しい答えを書いて、やり直しをして、解説を見て理解する。さらに、自分の持っているテキストの何ページに書いてあるな、それもやってみようと思えるくらいまでやる。

分かった気をなくすこと、そして自分でその解答を説明できるか、ということを意識しながら進めていきましょう。

4教科別学習のポイント

すべての教科に共通して言えることは、前述したとおり、その問題の解答根拠を自分で言えるかということです。

【国語】分からない言葉はすぐに調べる習慣を

難しい言葉が出てきた場合、分からないままにしていないでしょうか。
文章読解をたくさんこなしていくと、分からない言葉を調べるということをおろそかにしがちになります。
難しい言葉、気になった言葉はすぐに調べるようにしましょう。調べるツールは辞書でもスマートフォンでもなんでもいいです。
分からないことをそのままにしないこと。
当たり前のことかもしれませんが、この調べるということを毎日ちゃんとできるか、国語はそこが大切です。

【算数】途中式は丁寧に

複雑な図形の問題、特殊算を使った難しい問題をどんどんやっていくと、途中式を書き散らかしてしまい、どこに書いたか分からなくなってしまうことがあります。それだけがむしゃらにやっているからですが、それでは見直しができません。
そこで問題の途中式がどこに書いてあるか、しっかりノートを見返す癖をつけていきましょう。見直しの質が格段に上げります。
途中式をあっちこっち書いてどこまで計算したか分からないということをなくし、見直しが確実にできること、さらに途中式も丁寧に書くことがプラス数点上げる秘訣です。

【理科】暗記をしない!

理科ほど暗記になってしまう教科はありません。

プラス数点の秘訣は「暗記をしないこと」。日々の勉強で視覚的な理解までできているか、問題からちゃんと図や写真などのイメージできているかということです。

たとえばバネの問題など、問題文を見てイメージが浮かばないという生徒さんが見受けられます。

なんとなくという覚え方のままにせず、分からない問題が出てきたら写真や図をすぐに調べて、イメージが湧くようにしていきましょう。

【社会】新幹線の路線に注目!

理科同様、社会も暗記に頼ってしまいがちです。

そこで、直前期の実践的な方法として、日本地図を見ながら新幹線がどこを走っているかを、必ず見るようにしてください。

新幹線が開通したエリアは問題に出やすい傾向にあります。2022年は、九州新幹線の長崎ルートが開通しましたね。またリニア新幹線など、これから開通するところも注目です。

何県にどんな駅があるか、その地域の特徴、特産物は何かなど、たとえば家族で春休みの旅行の計画を立てるつもりで、そして楽しく話しながら直前対策をしてみてください。

直前期の学習サポートは保護者だけで抱えず塾に相談を

直前期の勉強は保護者の方の声かけも大切な要素です。

そこでぜひ、お子さんが塾から帰ってきたら「今日は何を勉強したの?」と聞いてあげてください。そして子どもに説明してもらい、聞いたらぜひ笑顔で、「すごいね!」「お母さんそんな問題できないわ」などと言って、ほめてあげましょう。

子どものやっていることを承認し、自己肯定感を高めてあげてください。

また直前期はどうしても、過去問は何点取れたか、とか、何年度分やったのか、この出願はいつまでで、受験のスケジュールがこうで…と保護者自身も大変忙しい状況になります。

さらに本番が近づくにつれて、漠然とした不安がよぎることがあるでしょう。気持ちの余裕がなくなり笑顔も少なくなりがちです。

私どもも、面談などでお母さま方のご相談にのることがよくあります。

ご相談にいらした皆さんに共通して言えることは、一人で抱え込んでしまっているんですね。お子さんがここまで頑張ってやってこれたのも、偏差値を上げることができたのもすべてお母さま方の力です。

どうしても笑顔になれない、不安だ、という場合は、塾の先生に力を頼ることも方法の一つです。

良い結果に導けるように、塾の先生の力も借りながらお子さまをサポートしていきましょう。

明光義塾川口元郷教室 教室長 手塚成彬先生

大学で歴史と教育を学んだ後、自らの想い・熱意を小中高校生どの世代にも伝えるために、教室長として都内の明光義塾に勤務。数々の教室で指導する経験をもとに、指導の枠は生徒にとどまらず、社内の講師指導研修も担当。現在埼玉県の明光義塾川口元郷教室にて通塾する全ての生徒を笑顔にするため今日も尽力中。