考えるきっかけを生む10のマジックワード
「タイプ3」の人は、なぜ寝ているとき以外は学ぶことができるのか。著者はこの謎について、パソコンのOS(オペレーティング・システム=基本ソフト)を例えに出して解説しています。OSのバージョンが新しく、性能が高ければ、さまざまなソフトをインストールできます。逆に古いと、新しいソフトは使うことができません。
人間の脳も同じようなもの、というのが著者の見立てです。脳のOSのスペックが高ければ、どんなアプリケーションソフト(科目)が現れてもインストールでき、使いこなせる。OSでわかりにくければ、「考える力」「情報を処理する力」と言い換えてもいいでしょう。
むろん、パソコンの対応OSが決まっているように、人間の脳にももって生まれたスペックはあるでしょう。しかし、OSのバージョン、すなわち人間の「考える力」「情報を処理する力」は、成長とともに自然と向上していくのもまた事実です。あるがままの状態でもOSは成長しますが、それを「意識してバージョンアップ」させる環境を作り、効果を高める。そのために使うのが、10の問いかけの言葉、著者が「マジックワード」と呼んでいる以下の言葉です。
1:「なぜだろう?」(「原因分析力」をつくる)
2:「どう思う?」(「自己表現力」をつくる)
3:「どうしたらいい?」(「問題解決力」をつくる)
4:「要するに?」(「抽象化思考力」をつくる)
5:「たとえば、どういうこと?」(「具体化思考力」をつくる)
6:「楽しむには?」(「積極思考力」をつくる)
7:「何のため?」(「目的意識力」をつくる)
8:「そもそも、どういうこと?」(「原点回帰力」をつくる)
9:「もし〜どうする(どうなる)?」(「仮説構築力」をつくる)
10:「本当だろうか?」(「問題意識力」をつくる)
とてもシンプルですよね。これらの言葉を、適宜子どもに使うことで、子どもの脳のOS、すなわち「考える力」がメキメキ向上。命じられなければ考えなかった子でも、「自分の頭で考える」ようになってしまうというのです。10マジックワードは、その「考える」きっかけを作る言葉なのです。