冷徹なカリスマ塾講師、黒木蔵人が内に秘める「願い」が100の言葉に
「日々、努力を続けるわが子に、どんな言葉をかけてやれば良いのだろう?……そんな中学受験生の親たちの悩みに応える一冊」。このように本書に書かれた説明を、決して鵜呑みにしてはいけません。わが子に対し、「この本に書いてあったんだけど~」のような伝え方は絶対にNG。その理由を説明する前に、まずは本書が生まれた経緯や概要をたどってみましょう。
おおたさんは今回、なぜ中学受験マンガ『二月の勝者』とコラボすることになったのか。
本書「おわりに」で種明かしされているように、おおたさんにはもともと、「中学受験生の親が子に伝えるべきメッセージを具体的な言葉にして1冊の本にまとめたい」という構想がありました。2018年の著書『中学受験「必笑法」』(中央公論新社)をさらに具体的なフレーズにまとめようと考え、実際に100の言葉を準備していたのです。そこに『二月の勝者』とのコラボ話が沸き上がり、本書の誕生へとつながりました。
ここで、中学受験マンガ『二月の勝者』をご存じない方のために、簡単に内容を説明します。『二月の勝者』の舞台は、「桜花ゼミナール」という中学受験塾。主人公である冷徹なカリスマ塾講師・黒木蔵人や新米塾講師の佐倉麻衣らが、中学受験を選択したいくつもの親子とさまざまなドラマを繰り広げます。
「君達が合格できたのは、父親の『経済力』そして、母親の『狂気』」……などと、刺激的すぎるセリフを連発し、周りを凍り付かせる黒木ですが、おおたさんは「彼が子どもたちに向ける眼差しには何らかの『願い』を感じる」と共感します。そこで、「彼が内に秘める『願い』をともに叶えるために親としてできることは何か」を、100の言葉として表現し、本書ができあがりました。
本文は四つの章に分けられ、各章25の言葉とそれぞれの解説文、『二月の勝者』から引用したマンガの1シーンで構成されています。最初から順に読むのもいいし、そのときの自分が気になる言葉をピックアップして読むのもおすすめです。