付属校の問題は易しめ、進学校は難しめ。傾向と対策はまったく異なる
中学受験で狙う学校は、大きく2つに分かれるのは、多くの人がご存じでしょう。内部進学を基本とする「大学付属校」と、大学受験で国公立大学や難関校を目指す「進学校」です。
進学後の目的が違うのですから、求められる子どもの資質も違えば、受験生の選考をするための入試問題が違うのも当然のことなのですが、著者によれば、このことを理解していない親御さんが多いのだそうです。
では、入試問題はどう違うのか。「付属校:問題は易しめ」「進学校:問題は難しめ」と著者。これが一般的な傾向だそうです。進学校は中学入学の時点で「大学入試に耐えうる高い学力」を判定しようとするのに対し、大学付属校は基本問題を重視しているからです。また、日常生活に関係したさまざまな知識や幅広い教養を問う問題も多いそうです。
入試の難易度が高いところに合わせて対策をしていれば、問題が易しい付属校は受かるだろうと考えてしまいがちですが、それはまったく違うようです。大手進学塾の最高ランクのクラスに難なく居続けられるような子は別として、たいていの子は、出題傾向が違うと対応できないのです。
「付属校の入試問題と進学校の入試問題は、スポーツで例えるなら、マラソンと短距離ぐらい違いがあります」と著者。マラソンと短距離では、トレーニングの方法が違うのは誰もが知っています。難関進学校の入試問題と比べれば、付属校の入試は簡単という傾向はあるのですが、難関進学校向けの勉強には、付属校には必要のない勉強も多々あります。
逆に言えば、大学付属校受験には何が必要かを知り、それを身につける勉強をしていけば、お子さんに余計な負荷をかけることなく、偏差値の高い大学付属校に合格することは可能だということです。大学付属校を志望するならば、一刻も早く付属校に特化した勉強をしたほうが良いのです。