志望校対策のカギは模試と過去問演習にあり
では、大学付属校を目指す親子は何をすべきか。詳しくは本書をじっくりと読んでいただきたいのですが、著者が非常に重要視しているのが、「模擬試験(模試)」と「過去問」の使い方です。
まず模試について。本書では首都圏模試センターや、日能研、四谷大塚、SAPIXなどの模試によって偏差値が変わるメカニズムを解説した上で、大学付属校を受験するのであれば、首都圏模試センターの「合判模試」がおすすめだとしています。
この模試は成績上位者があまり受験しないというデメリットはあるのですが、なんといっても出題傾向が付属校の試験問題に近い。それが、著者がおすすめするいちばんの理由です。出題傾向の似ている模試であれば、「ミスなく高得点を取る」練習ができる、本番に備えるためにはうってつけなのです。それに比べると他の模試は、「御三家などの難関進学校向けに問題が作成」されており、大学付属校を第一志望とする子には向いていないのです。
この模試は成績上位者があまり受験しないというデメリットはあるのですが、なんといっても出題傾向が付属校の試験問題に近い。それが、著者がおすすめするいちばんの理由です。出題傾向の似ている模試であれば、「ミスなく高得点を取る」練習ができる、本番に備えるためにはうってつけなのです。それに比べると他の模試は、「御三家などの難関進学校向けに問題が作成」されており、大学付属校を第一志望とする子には向いていないのです。
また、模試の使い方も細かくアドバイス。正答率を見て、苦手分野と得意分野を判別し、勉強に生かす方法を事細かく解説してあります。偏差値を見て結果を判断するのではなく、本番の受験に向けて効率よく勉強する方法がよくわかるのです。その上で、「第一志望校の合格可能性が50%(10人中半分が受かる)に届いているならばチャレンジせよ」と著者は述べています。とても勇気づけられます。
模試以上に本書で重要視されているのが「過去問演習」。志望校対策の「核」と著者は呼んでいます。過去問は出題傾向の鍵ともいえます。進学校と大学付属校で出題傾向が違うのと同様、付属校の中でも出題傾向が変わります。処理能力の高さをみる問題が多いのか、じっくり考える回答を求めているのか、1校ずつ違うのです。「過去問演習」をする目的は、「敵を知る」ということに尽きます。
ここでも「時間を5分短くする」「採点、反省点チェック」「解き直し」「再テスト」という、過去問の演習方法が詳しく解説されています。この過去問演習も模試も、著者の塾で実践していること。これらの繰り返しによって、「早慶中学合格率12年連続ナンバー1」の実績を上げているのです。
著者によると、合格する実力があるにもかかわらず、志望校対策が不十分だったため、不合格となった子を大勢見てきたそうです。そうならないためには、過去問演習が非常に大切なのですが、過去問演習をじっくりやろうとすると、たいへんに時間がかかるのも事実。1校9年分を1度解くだけでも2か月以上かかるのは確実です。だからこそ「なるべく早く」スタートさせ、「繰り返しやる」ことが大切。これをきっちりと行っておけば、「偏差値10くらいの差は、覆すことができる」と著者は述べています。