親にとっても辛い反抗期
前回、反抗期という言葉そのものが、親目線なので、それを子どもの発達から、「思春期に起こる問題」と捉えることの必要性だと主張したのですが、一方で「反抗期」と言いたくなる親の気持ちも、分からないでもありません。
なぜなら「反抗期」は、親にとって非常に辛い時期だからです。子どものために、注意したり心配したりしても、それを邪魔にされたり無視されたりしますし、突然、感情をぶつけられたりすれば、親だって傷つきます。子どものことをかわいいと思っているし、何とか助けてやりたいと思っているのに、それがうまくいかないわけで、そうした時期に親が感じるストレスはとても大きいものがあります。
反抗期には終わりがある!
そんな中、ごく当たり前ではあるけれど、とても大切な、そして良いニュースをお知らせしましょう。
反抗期(思春期)には終わりがある、という事実です。何しろ、反抗期という言葉に、「反抗してばかりいる時期」、つまり「ある一定の期間に過ぎない」という意味が含まれているのですから。
それに、皆さんにも反抗期があったわけでしょう? そして、いつの間にか、その時期を終えて、大人になったわけです。中には、親との関係が今もって修復できていない人、未だに反抗期と同じように、感情の起伏が激しい大人もいるとは思いますが、それらは少数のはずです。多くの人が、反抗期を体験し、そして終わっているわけで、こうした事実は当然、科学的にも証明されているのです。
次のグラフを見てください。
このグラフは、「深刻な暴力がはじまるリスクの高い年齢」を示しています。
横軸が年齢です。10歳くらいから始まって、13歳から18歳くらいがピーク、その後、徐々に減って、25歳になると限りなく0に近くなっていますね。
このデータ、アメリカのものなのですが、専門家によると、同じ項目について日本はもちろん、世界中のどの地域で調べたとしても、結果はほとんど同じになると言われているのです。そして、このグラフは、まさに反抗期=思春期の不安定な行動を示していると思いませんか?
つまり、ここに現れているのは、反抗期=思春期の状況そのものであり、そして、このグラフは、反抗期=思春期には始まりと終わりがあることを明確に示しています。