「静かにしなさい」は逆効果…
そんなわけで反抗期を反抗期でなくすために、クールブレインを育てよう!という話になるのですが、ここでまず気をつけなければならないのは、私たち大人が、ついつい子どもたちに対して「静かにしなさい」「落ち着いて」など、子どもを抑制させるような働きかけをしてしまうことです。
え? クールブレインは感情の抑制でしょ?
それなのに「静かにしなさい」「落ち着いて」みたいな言葉がけが良くないの?
もしかしたらそんな風に思う人が多いかもしれないですが、それでもこれが事実なのですから、脳は面白いのです。
クールブレインにも「興奮」が必要!
理由は2つあります。
まず、脳は興奮しなければ発達しないということです。つまり子どもが静かだったり落ち着いていたりするときよりも、わーっと楽しく遊んでいるときの方が、脳に刺激がたくさん入り、神経細胞が興奮します。そして、そういうときにこそ、神経細胞が活性化し、新たなネットワークが作り出されるわけです。静かにしなさい、は、子どもの脳が発達するチャンスを奪っている可能性があるんですね。
それから、もう1つ。落ち着いている子どもの脳には、クールになる練習をする機会がない、という問題です。
クールブレインの重要な役割は、興奮しているホットブレインをクールにすること、落ち着かせることです。
ところが、いつもいつも子どもが落ち着いているとしたら、どうでしょうか。
その子のクールブレインには、「ホットブレインをなだめて落ち着かせる」を練習するチャンスがありませんよね? そうすると、当然、クールブレインは発達するチャンスを逸してしまいます。
そんなわけで、クールブレインを育てるためには、「落ち着く」ことよりも、「正当な興奮」が必要です。子どもらしく遊んで、子どもらしく興奮し、そして遊びの時間が終わったら、ゆっくりとクールダウンをして振り返る、そんな当たり前の子どもの生活がいいわけです。