反抗期の影に自己肯定感の危機!親にできること【反抗期を科学する・5】

連載5回目の今回は、子どもの「自己肯定感」に注目して反抗期との関係を見ていきましょう。反抗期の子どもは一見すると自己肯定感の塊のようですが、実は…。
和久田先生のお話を読み終わった後は、お子さまをそっと抱きしめたくなるかもしれません。

意外な関係!反抗期と自己肯定感

意外な関係!反抗期と自己肯定感

日本の子どもの自己肯定感の低さは有名です。数々の国際比較調査において、日本の子どもはダントツのワーストワン(ただしこのことについての危機感は、大人たち、特に教育関係者の間では共有されていて、この十年、少しずつ改善傾向にあるとのこと)なのだそうですが、皆さんの周りのお子さんたちはどうでしょうか?

自信満々の子どももいますが、不安が強くて、自信が持てない子どもも多いかもしれません。中には、朗らかで元気に見えるけれど、実は神経質、みたいな複雑な子もいるかもしれませんね。

自己肯定感とは?

さて、話をさらに進める前に、ここで今回の話題である「自己肯定感」について、説明しておきましょう。

自己肯定感とは、自らを肯定的に捉える気持ち、態度を言います。自分に関する様々な事柄、――学力、スポーツのスキル、性格、スタイル、顔、家庭環境など――が多層的に自己肯定感を形作ります。自分自身が自分について、どう思うか、だけでなく、他者からの評価、それも友達同士の人気といったことから、教師や親からの評価、社会的な評価など、様々なことが関連します。自己肯定感とは、単純なものではないのですね。

傍若無人に見えても実は…

では、皆さんの周りの子どもたちの自己肯定感はどうでしょうか。特に、この連載の話題である思春期、いや、反抗期の子どもたちの自己肯定感は、どんな風になっているでしょうか。
反抗期の子どもたちは、自己中心的な行動をします。傍若無人、親の気持ちなんか、全く気にせず、自己肯定感が高く、自意識過剰ではないかと思うところですが、実はその逆であることが分かっています。