危険因子と保護因子の重要なこと
最後に、危険因子と保護因子について、重要なことをお伝えしておきましょう。
それは、この危険因子と保護因子の中にも影響力を強く持つものと、そうでもないものがあるということです。つまり、危険因子、保護因子の中に、それぞれスーパー危険因子、スーパー保護因子と言いたくなるような、思春期の問題リスクを高めたり、逆にリスクを減らしたりすることができる、強力な因子があるんですが、それは何だと思いますか?
次回、そのスーパー危険因子とスーパー保護因子について説明し、さらには思春期の問題(反抗期を含む)を予防するための方法について、具体的に検討してみたいと思います。
次回の更新は9月27日(月)です。
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和久田 学(わくた まなぶ)先生
小児発達学博士、子どもの発達科学研究所主席研究員、大阪大学大学院特任講師、日本児童青年精神医学会会員及び教育に関する委員会委員、日本LD学会会員。教員経験ののち、連合大学院で博士号を取得した稀有な経歴を持つ研究者。日本の教育、子育ての世界に科学的根拠に基づく先進的な研究やプログラムを導入。「愛と科学は両立する」を信条に、子どもたちが本来持っている能力を存分に発揮できるよう、研究・開発・社会実装に力を注いでいる。
著書に『科学的に考える子育て~エビデンスに基づく10の真実~』(緑書房)、『学校を変える いじめの科学』(日本評論社)。その他論文多数。
子どもの発達科学研究所
子どもの発達科学研究所は、子育て、いじめ予防、就労支援等に関し、科学的根拠に基づくプログラムの研究開発と提供を行う日本では数少ない社会実装団体。なかでも脳科学、行動科学、疫学統計学による『3Ds(スリーディーズ)アプローチ』は、実効性の高いオリジナルプログラムとして注目を集めている。
また、子どもの「こころ」の発達や、子どもの「学び」に関する正しい支援・対応について学習する講座をシリーズで提供。教育関係者や保護者の方々から高い評価を得ている。幼児期から思春期における成長を科学で支え、健やかな未来へと導くため、当研究所は研究、開発、コンサルティングなど、幅広い活動を行っている。